专利摘要:
本発明は、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)をHASの場合により酸化された還元末端を介して、アミノ基とは別に特別に保護されたカルボニル基、すなわちアセタール基またはケタール基を含む架橋性化合物のアミノ基Mと反応させるステップを含む、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体の調製の方法に関するものである。
公开号:JP2011506652A
申请号:JP2010537332
申请日:2008-12-15
公开日:2011-03-03
发明作者:クノラー,ヘルムート;シンメル,マルティン;ゾンマーマイヤー,クラウス;ハイ,トーマス;ハウシルト,フランツィスカ;ハケット,フランク
申请人:フレセニウス・カビ・ドイッチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング;
IPC主号:C08B31-00
专利说明:

[0001] 本発明は、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を調製する方法に関し、この方法は、ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)を、HASの場合により酸化された還元末端を介して、アミノ基とは別に特別に保護されたカルボニル基、すなわちアセタール基またはケタール基を含む架橋性化合物のアミノ基Mと反応させるステップを含む。この方法は、このように得たHAS誘導体を、アルキル化、好ましくは還元的アミノ化を介して、生物活性化合物のアミノ基と反応させることをさらに含むことができる。さらに本発明は、本発明のプロセスによって得られる又は得られたHAS誘導体に関し、またその特定のHAS誘導体に関する。本発明は、生物活性化合物を含有するHAS誘導体を含む製薬組成物に関し、また治療剤または予防剤としてのHAS誘導体および薬剤の調製のための特定のHAS誘導体の使用にも関する。]
背景技術

[0002] ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)、特にヒドロキシエチルデンプン(HES)は、自然発生型炭水化物ポリマーのアミロペクチンの置換誘導体であり、これはコーンスターチ中に最大95重量%の濃度で存在し、体内でα−アミラーゼによって分解される。HESは特に有利な生物特性を示し、血液量置換剤として診療所の血液療法で使用される(Sommermeyer et al.,1987,Krankenhauspharmazie,8(8),271−278;Weidler et al.,1991,Arzneimittel−forschung/Drug Res.,41,494−498)。]
[0003] ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を産生する方法は、当該技術分野において開示されている。]
[0004] 独国特許出願公開第2616086号明細書には、ヘモグロビンのヒドロキシエチルデンプンへの結合が開示されており、この最初のステップでは、ブロモシアンなどの架橋剤がヒドロキシエチルデンプンに結合され、続いてヘモグロビンが中間生成物に連結されている。]
[0005] HESが使用される1つの重要な分野は、特定の生理効果を得るために例えば循環系に利用されるポリペプチドの安定化である。これらのポリペプチドの具体的な一例はエリスロポエチンであり、これは循環中の赤血球レベルを制御するのに必須である約34,000kDaの酸性糖タンパク質である。]
[0006] ポリペプチドおよび酵素の利用による周知の問題は、これらのタンパク質がしばしば不十分な安定性を示すことである。特にエリスロポエチンは、相対的に短い血漿半減期を有する(Spivak and Hogans,1989,Blood 73,90;McMahon et al.,1990,Blood 76,1718)。これは治療的血漿レベルが急速に消失し、反復静脈内投与を実施する必要があることを意味する。さらに、ある環境において、ペプチドに対する免疫応答が観察される。]
[0007] ポリペプチドをポリマー分子に結合させると、ポリペプチドの安定性を改善することができ、これらのポリペプチドに対する免疫応答が低減されることが一般に認められている。]
[0008] 国際公開第94/28024号パンフレットには、ポリエチレングリコール(PEG)で修飾された生理活性ポリペプチドは免疫原性および抗原性の低下を示し、未結合タンパク質よりもかなり長く血流中に循環する、すなわち長いクリアランス速度を有することが開示されている。しかし、PEG−薬物結合体はいくつかの欠点を示し、例えばin vivo分解経路の要素が認識できる天然構造を示さない。したがってPEG結合体とは別に、他の結合体およびタンパク質ポリマレートが生成されている。]
[0009] 国際公開第02/08079号パンフレットには、活性剤およびヒドロキシアルキルデンプンが直接またはリンカ化合物を介してのどちらかで結合されている、活性剤およびヒドロキシアルキルデンプンの結合体を含む化合物が開示されている。直接結合に関する限り、活性剤およびヒドロキシアルキルデンプンの反応は、少なくとも10重量%の水を含む水性媒体中で実施する。ヒドロキシアルキルデンプンを架橋性化合物に、保護カルボニル基をさらに含有する架橋性化合物のアミノ基を介して結合することを指示する例は与えられていない。さらに、HAS誘導体を示す例が与えられ、HAS誘導は、該カルボニル基を介して生物活性剤のアミノ基と反応させることによって得られる。]
[0010] 国際公開第03/074087号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプン分子とタンパク質との間の結合が共有結合であり、ヒドロキシアルキルデンプンの末端アルデヒド基または該アルデヒド基の反応から生じた官能基とタンパク質の官能基との結合の結果である、ヒドロキシアルキルデンプン−タンパク質結合体が開示されている。]
[0011] 国際公開第03/074088号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプン分子と低分子量化合物との間の結合が共有結合であり、ヒドロキシアルキルデンプンの末端アルデヒド基または該アルデヒド基の反応から生じた官能基とタンパク質の官能基との結合の結果である、低分子量化合物とのヒドロキシアルキルデンプン結合体が開示されている。]
[0012] 国際公開第2005/014024号パンフレットには、官能化ポリマーがオキシム結合基によってタンパク質に共有結合されている、アミノオキシ基による官能化ポリマーまたはその誘導体、結合体、官能化ポリマーを調製するプロセス、結合体を調製するプロセス、本発明のプロセスにより得られるような官能化ポリマー、プロセスにより得られるような結合体、ならびに少なくとも1つの結合体を含む製薬組成物およびヒトまたは動物の体の予防または治療のための組成物が開示されている。]
[0013] 国際公開第2005/092390号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプンまたはヒドロキシアルキルデンプンの誘導体とタンパク質との間の共有結合によって形成される、ヒドロキシアルキルデンプンとタンパク質との結合体およびこれらの結合体を産生する方法およびこれらの結合体の使用が開示されている。]
[0014] 国際公開第2004/024777号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、特にヒドロキシアルキルデンプンをリンカ化合物の1級または2級アミノ基と反応させるプロセスによって得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体が開示されている。特に好ましい実施形態において、国際公開第2004/024777号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプンをリンカ化合物の1級または2級アミノ基と反応させて、得られた生成物をポリペプチドと、好ましくは糖タンパク質と、特に好ましくはエリスロポエチンと、リンカ化合物の少なくとも1つの他の反応性基を介して反応させるプロセスによって得られる、ヒドロキシデンプン誘導体が開示されている。特に好ましいヒドロキシアルキルデンプンは、ヒドロキシエチルデンプンである。国際公開第2004/024777号パンフレットによれば、ヒドロキシアルキルデンプンおよび好ましくはヒドロキシエチルデンプンをリンカ化合物と、反応の前に酸化されていないその還元末端にて反応させる。]
[0015] 国際公開第2004/024776号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体、特にヒドロキシアルキルデンプンを、架橋性化合物の1級または2級アミノ基と、または得られたヒドロキシアルキルデンプン誘導体がさらなる化合物の官能基Yと反応することが可能である少なくとも1つの官能基Yを有し、さらなる化合物のこの基Yがアルデヒド基、ケト基、ヘミアセタール基、アセタール基、またはチオール基である2つの架橋性化合物と反応させるプロセスによって得られる、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体が開示されている。特に好ましい実施形態によれば、国際公開第2004/024776号パンフレットは、ヒドロキシアルキルデンプンを架橋性化合物の1級または2級アミノ基と反応させて、得られた反応生成物を場合により第2の架橋性化合物とさらに反応させるプロセスによって得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体に関し、得られたヒドロキシアルキルデンプン誘導体は、さらなる化合物の官能基Yと反応することが可能である少なくとも1つの官能基Xを有し、この基Yは、アルデヒド基、ケト基、ヘミアセタール基、アセタール基、またはチオール基であり、得られた反応生成物を、これらの官能基Yの少なくとも1つを含む、ポリペプチドと、好ましくはAT III、IFN−βまたはエリスロポエチンなどのポリペプチドと、特に好ましくはエリスロポエチンと反応させる。特に好ましいヒドロキシアルキルデンプンは、ヒドロキシエチルデンプンである。国際公開第2004/024776号パンフレットにより、ヒドロキシアルキルデンプンおよび好ましくはヒドロキシエチルデンプンをリンカ化合物と、反応の前に場合により酸化されるその還元末端にて反応させる。]
[0016] 国際公開第2005/092928号パンフレットには、ヒドロキシアルキルデンプン、好ましくはヒドロキシエチルデンプンとタンパク質との結合体を開示し、これらの結合体は、ヒドロキシアルキルデンプンの、またはヒドロキシアルキルデンプンの誘導体の少なくとも1つのアルデヒド基と、タンパク質の少なくとも1つのアミノ基との間の還元アミノ化反応によって形成されるので、ヒドロキシアルキルデンプンまたはその誘導体はアゾメチン結合またはアミノメチレン結合を介してタンパク質に共有結合される。国際公開第2005/092928号パンフレットは、これらの結合体を産生する方法および結合体の詳細な使用にも関する。]
[0017] 米国特許出願公開第2006/0194940号明細書には、水溶性ポリマーアルカナールが開示されている。特に、ポリマーと反応させる保護アルデヒド試薬が開示されている。ポリサッカライドが一般的と言及しているが、特に好ましいポリマーはポリエチレングリコールである。米国特許出願公開第2006/0194940号明細書には、デンプン、または特にヒドロキシアルキルデンプンなどの修飾デンプンは開示されていない。結果として、米国特許出願公開第2006/0194940号明細書は、所与のリンカ化合物をヒドロキシアルキルデンプンに結合する詳細な方法に関する開示を含んでいない。同じことが米国特許第7157546号明細書、欧州特許出願公開第1591467号明細書および国際公開第2004/022630号パンフレットにも当てはまる。]
[0018] 米国特許第6916962号明細書には、非保護形および保護形のアミノアセタール架橋性化合物が開示されている。本明細書には、この架橋性化合物のポリエチレングリコール以外のポリマーとの考えられる結合に関連する開示が含まれていない。特に、ヒドロキシアルキルデンプンなどの修飾デンプンはおろか、デンプンも米国特許第6916962号明細書には開示されていない。結果として、米国特許第6916962号明細書は、所与のリンカ化合物をヒドロキシアルキルデンプンに結合する詳細な方法に関しての開示を含んでいない。同じことが米国特許第6956135号明細書および国際公開第03/049699号パンフレットにも当てはまる。]
[0019] 米国特許第5990237号明細書には、保護アルデヒド基を含有する構造が開示されている。これらの構造を含む化合物は好ましくはポリエチレングリコールに結合され、結合は、保護アルデヒド基含有化合物に含まれる官能基としてのハライドを介して実施され、該ハライド基はポリエチレングリコールのヒドロキシ基と反応する。]
[0020] 本発明の目的は、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を得る新規方法を提供することである。]
[0021] 本発明のさらなる目的は、HASを特別な官能化架橋性化合物と反応させることによって得たまたは得られるHAS誘導体などの新規HAS誘導体を提供することである。]
[0022] 本発明のまた別の目的は、HASを特別な官能化架橋性化合物と反応させることによって得たまたは得られるHAS誘導体を、生物活性化合物の好適な官能基と反応させることによって得たまたは得られるHAS誘導体などの更なる新規のHAS誘導体を提供することである。]
[0023] 驚くべきことに、特別なHAS誘導体の調製ために、一方ではアミノ基を介して、ヒドロキシアルキルデンプンの場合により酸化された還元末端に選択的に結合されることが可能であり、他方では、第2の官能基として完全保護カルボニル基、すなわちアセタール基またはケタール基を有する架橋性化合物を使用できることが見出された。遊離アルデヒドもしくはケト基または、例えばヘミアセタール基を官能基として有する架橋性化合物が利用される実施形態と比較して、このような完全保護基を利用することによって、HASの架橋性化合物との反応の間に、架橋性化合物分子間に望ましくないオリゴマー化または重合が起こるリスクが大幅に最小化される。予想外に、得られたHAS誘導体に含まれるアセタールまたはケタール基の脱保護は、アセタール基およびエーテル基などの多くの官能基を特徴とするヒドロキシアルキルデンプン、特にヒドロキシエチルデンプンの特別な化学構造を少なくとも部分的に破壊することなく可能である。したがって、本発明により、生物活性化合物との有効な結合を可能にするHAS誘導体を提供するために、得られたHAS誘導体の官能基を、HAS構造の少なくとも部分的な破壊を伴わずに脱保護する可能性と併せて、個々の架橋性化合物分子間のオリゴマー化または重合のリスクを最小限に抑えることによって、第1のHASを調製する極めて効果的な方法を可能にする。]
[0024] したがって、本発明は、ヒドロキシアルキルデンプン誘導体の調製方法であって、
(i)式(I)



で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)を、HASの還元末端の炭素原子C*を介して、式(II)
M−L−A(II)
(Aは、アセタール基またはケタール基であり、ならびにLは、MおよびAを架橋するスペーサであり、式中、C*は、HASのMとの反応の前に場合により酸化される)による架橋化合物のアミノ基Mと反応させて、式(III)



(Xは、HASの場合によっては酸化された還元末端の炭素原子C*を介するアミノ基MとHASとの反応から生じた官能基であり、
HAS’は、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR1、R2およびR3は独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基である)
で示すHAS誘導体を得るステップを含む方法に関する。]
[0025] さらに、本発明は、本方法によって得られるまたは得たヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体に関する。]
[0026] さらに、本発明は、式(III)



で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体に関し、
Aは、アセタールまたはケタール基であり、Lは、XおよびAを架橋するスペーサであり、
Xは、式(II)



で示す架橋化合物のアミノ基Mと、式(I)



で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)とによるHASの炭素原子C*を介した反応から生じる官能基であり、C*は、HASのMとの反応の前に場合によっては酸化され、
HAS’は、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR1、R2およびR3は独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基である。]
[0027] (ヒドロキシアルキルデンプン)
本発明の状況において、「ヒドロキシアルキルデンプン(HAS)」という用語は、少なくとも1個のヒドロキシアルキル基によって置換されたデンプン誘導体を指す。本発明の好ましいヒドロキシアルキルデンプンは、式(I’)



に示す構造式を有し、
HAS’は、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR1、R2およびR3は独立して、水素、直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基、または



基であり、
R1、R2、R3、およびR4は独立して、水素、およびアルキル基、好ましくは水素およびメチル基であり、
mは2〜4であり、残基R1およびR2は、m個のCR1R2基中で同じかまたは異なることができ、
nは0〜20、好ましくは0〜4であり、
oは2〜20、好ましくは2〜4であり、ここで残基R3およびR4は、o個のCR3R4基において同じかまたは異なることができる。]
[0028] 好ましくは、R1、R2、およびR3は独立して、基−(CH2CH2O)n−H(式中、nは、整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、または6である)、ならびに特に、R1、R2、およびR3は独立して、水素または2−ヒドロキシエチルである。]
[0029] 式(I)および(I’)において、デンプン分子の還元末端は非酸化形で示され、HASの末端サッカライド単位は、溶媒に応じて(遊離)アルデヒド形と平衡状態にあり得るヘミアセタール形で示されている。本発明の状況で使用するようなHAS’の省略形は、HAS分子の還元末端に末端サッカライド単位のないHAS分子を指す。これは、本発明の状況で使用するような「ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部」という用語を意味する。]
[0030] 本明細書で使用するような「ヒドロキシアルキルデンプン」という用語は、末端炭水化物部分が式(I)および(I’)で簡潔にするために示されたようなヒドロキシアルキル基R1、R2および/またはR3を含む化合物に限定されないが、末端炭水化物部分および/またはヒドロキシアルキルデンプン分子、HAS’の残部のどちらかの、いずれかの箇所に存在する少なくとも1個のヒドロキシ基がヒドロキシアルキル基R1、R2および/またはR3よって置換される化合物も指す。]
[0031] 2つ以上の異なるヒドロキシアルキル基を含むヒドロキシアルキルデンプンも可能である。]
[0032] HASに含まれる少なくとも1個のヒドロキシアルキル基は、1個以上の、特に2個以上のヒドロキシ基を含有し得る。好ましい実施形態により、HASに含まれる少なくとも1個のヒドロキシアルキル基は、1個のヒドロキシ基を含有する。]
[0033] 「ヒドロキシアルキルデンプン」という表現は、アルキル基が1置換または多置換されている誘導体も含む。この状況において、アルキル基がハロゲン、特にフッ素によって、またはアリール基によって置換されることが好ましい。さらに、ヒドロキシアルキル基のヒドロキシ基はエステル化またはエーテル化され得る。]
[0034] さらに、アルキルの代わりに、直鎖または分枝置換または非置換アルケニル基が使用され得る。]
[0035] ヒドロキシアルキルデンプンは、デンプンのエーテル誘導体である。該エーテル誘導体に加えて、他のデンプン誘導体も本発明の状況で使用できる。例えば、エステル化ヒドロキシ基を含む誘導体が有用である。これらの誘導体は例えば、2〜12個の炭素原子を持つ非置換モノもしくはジカルボン酸の誘導体、またはその置換誘導体であり得る。特に有用なのは、2〜6個の炭素原子を持つ非置換モノカルボン酸の誘導体、特に酢酸の誘導体である。この状況では、アセチルデンプン、ブチリルデンプンおよびプロピオニルデンプンが好ましい。]
[0036] さらに、2〜6個の炭素原子を持つ非置換ジカルボン酸の誘導体が好ましい。]
[0037] ジカルボン酸の誘導体の場合、ジカルボン酸の2級カルボキシ基もエステル化されることが有用である。さらに、ジカルボン酸のモノアルキルエステルの誘導体も本発明の状況で好適である。]
[0038] 置換モノまたはジカルボン酸では、置換基は好ましくは、置換アルキル残基について上述したのと同じであり得る。]
[0039] デンプンのエステル化技法は当該技術分野で公知である(例えばKlemm D.et al,Comprehensive Cellulose Chemistry Vol.2,1998,Whiley−VCH,Weinheim,New York,especially chapter 4.4,Esterification of Cellulose(ISBN 3−527−29489−9))を参照。]
[0040] 本発明の好ましい実施形態により、上述の式(I)によるヒドロキシアルキルデンプンが利用される。HAS’に含まれる他のサッカライド環構造は、明示的に記載されたサッカライド環と同じまたは異なり得て、それらに還元末端がないという点で異なる。]
[0041] 式(I)による残基R1、R2およびR3に関する限り、具体的な制限はない。好ましい実施形態により、R1、R2およびR3は独立して、水素または各アルキル残基に2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアラルキル基もしくはヒドロキシアルカリル基である。2〜10個の炭素原子を有する水素およびヒドロキシアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、ヒドロキシアルキル基は、2〜6個の炭素原子、さらに好ましくは2〜4個の炭素原子、およびなおさらに好ましくは2〜3個の炭素原子を有する。好ましい実施形態において、ヒドロキシアルキルデンプンは、R1、R2、およびR3が独立して、水素または基(CH2CH2O)n−H(式中、nは、整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、または6である)であるヒドロキシエチルデンプンである。]
[0042] したがって「ヒドロキシアルキルデンプン」は好ましくは、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプンおよびヒドロキシブチルデンプンを含み、ここでヒドロキシエチルデンプンおよびヒドロキシプロピルデンプンは特に好ましく、ヒドロキシエチルデンプンは最も好ましい。]
[0043] アルキル、アラルキルおよび/またはアルカリル基は、直鎖または分枝であることができ、好適に置換されることができる。]
[0044] したがって、本発明は、R1、R2およびR3が独立して、水素または2〜6個の炭素原子を持つ直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基である、上述した方法およびHAS誘導体にも関する。]
[0045] したがって、R1、R2およびR3は好ましくは、H、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシプロピル、例えば2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシイソプロピル、ヒドロキシエチル、例えば2−ヒドロキシエチルであることができ、水素および2−ヒドロキシエチル基が特に好ましい。]
[0046] したがって、本発明は、R1、R2およびR3が独立して、水素または2−ヒドロキシエチル基である、上述した方法およびHAS誘導体にも関し、少なくとも1個の残基R1、R2およびR3が2−ヒドロキシエチルである実施形態が特に好ましい。]
[0047] ヒドロキシエチルデンプン(HES)は、本発明のすべての実施形態に最も好ましい。]
[0048] したがって、本発明は、ポリマーがヒドロキシエチルデンプンであり、誘導体がヒドロキシエチルデンプン(HES)誘導体である、上述した方法およびHAS誘導体に関する。]
[0049] HAS、特にHESは、主に分子量分布、置換度およびC2:C6置換の比によって特徴付けられる。置換度の説明には2つの可能性がある。]
[0050] HASの置換度(DS)は、すべてのグルコース部分と比較した置換グルコースモノマーの部分に対して相対的に説明される。]
[0051] HASの置換パターンも、グルコース部分1個当りのヒドロキシエチル基の数がカウントされる、モル置換(MS)として説明することができる。]
[0052] 本発明の状況では、HAS、好ましくはHESの置換パターンは、上述のようにMSと呼ばれる(Sommermeyer et al.,1987,Krankenhauspharmazie,8(8),271−278,in particular p.273も参照)。]
[0053] MSは、HES分子の完全な加水分解の後にガスクロマトグラフィーによって決定する。各HAS、特にHES開始物質のMS値を与える。MS値は本発明のプロセスのステップa)およびb)の誘導体化処置の間に影響されないことを前提としている。]
[0054] HAS、特にHES溶液は、各分子が重合度、分枝部位の数およびパターン、ならびに置換パターンで他の分子と異なる、多分散組成物として存在する。したがってHAS、特にHESは、分子量が異なる化合物の混合物である。結果として、特定のHASおよび特にHES溶液は、統計的手段を用いて平均分子量によって決定される。この状況dえ、Mnは、分子の数に応じて算術平均として計算される。また、Mw(またはMW)、すなわち重量平均分子量は、HAS、特にHESの質量に依存する単位を表す。]
[0055] この状況で、数平均分子量は、等式1によって定義される。



式中、niは、モル質量Miの種iの分子数である。



は、値が平均値であることを示すが、線は慣例により通常は省略される。]
[0056] Mwは、等式2によって定義される重量平均分子量である。



式中、niは、モル質量Miの種iの分子数である。



は、値が平均値であることを示すが、線は慣例により通常は省略される。]
[0057] 好ましくは、本発明で使用するヒドロキシアルキルデンプン、特にヒドロキシエチルデンプンは、1〜約1000kDaの、さらに好ましくは約1〜約800kDaの、さらに好ましくは約1〜約500kDaの平均分子量(重量平均)を有する。ヒドロキシエチルデンプンは、0.1〜3の、好ましくは0.1〜2の、さらに好ましくは0.1〜0.9または0.4〜2の、好ましくは0.4〜1.3の好ましいモル置換、ならびにヒドロキシエチル基に対して2〜20の範囲の好ましいC2:C6置換の比をさらに示すことができる。]
[0058] 本発明の文脈で使用されるような「平均分子量」という用語は、Sommermeyer et al.,1987,Krankenhauspharmazie,8(8),271−278;andWeidler et al.,1991,Arzneim.−Forschung/Drug Res.,41,494−498に記載されたようなLALLS−(低角レーザ光散乱法)−GPC法に従って決定された重量に関する。10kDa以下の平均分子量では、さらに、LALLS−GPCによって以前に適格とされた標準を用いて校正を実施した。]
[0059] 本発明の好ましい実施形態により、利用したヒドロキシエチルデンプンの平均分子量は、約1〜約1000kDa、さらに好ましくは約1〜約800kDa、さらに好ましくは約1〜約500kDa、さらに好ましくは約2〜約400kDa、さらに好ましくは約5〜約300kDa、さらに好ましくは約10〜約200kDa、特に約50〜150kDaである。]
[0060] さらに、HASおよび特にHESのモル置換は、好ましくは約0.1〜3、好ましくは約0.4〜約1.3、例えば0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、または1.3である。]
[0061] 約5〜300kDa、好ましくは50〜150kDaの平均分子量を有するHESの例は、0.1〜3の、好ましくは0.4〜1.3、例えば0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、または1.3のモル置換を有するHESである。]
[0062] C2:C6置換の比に関する限り、該置換は、好ましくは2〜20の範囲、さらに好ましくは2〜15の範囲、およびなおさらに好ましくは3〜12の範囲である。]
[0063] ヒドロキシアルキルデンプン以外のデンプン
一般に、本発明の方法も実施可能であり、本発明の誘導体も、ヒドロキシアルキルデンプン、特に上述したヒドロキシエチルデンプン以外のデンプンを使用しても調製可能であり、ただし、これらのデンプンも場合により(遊離)アルデヒド形と平衡状態にある、ヘミアセタール形で存在している還元末端を含有し、還元末端が好適に酸化されて各酸化形を与え得るという条件である。特に、高分枝、非置換または低置換デンプン生成物、すなわちアミロペクチンよりも著しく高い分岐度を有し、グリコーゲンのα−1,6分枝の程度を有する、またはこれさえ超過し、置換された場合にわずか0.3までの、好ましくは0.05〜0.3のモル置換MSを有するデンプンが利用可能である。MS(モル置換)という用語は、この高分岐、非置換または低置換デンプン生成物の状況で使用するように、アンヒドログルコース単位当りのヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル基の平均数を意味する。MSは通常、試料中のヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル基の含有量を決定することおよびその中に存在するアンヒドログルコース単位への計算割当によって測定される。MSは、ガスクロマトグラフィーによっても決定できる。分枝度は、ポリマー中のα−1,4,6−グリコシド結合アンヒドログルコースのmol%として、ガスクロマトグラフメチル化分析によって決定できる。分枝度がいずれの場合でも平均値であるのは、本発明の高分枝非置換または低置換デンプン生成物が多分散化合物であるためである。該高分枝、非置換または低置換デンプン生成物中のグルコース単位は、α−1,4およびα−1,6結合を介して結合される。分枝度は、全アンヒドログルコースαの合計のモル%中の−1,4,6−結合グルコース単位の割合を意味する。C2/C6比は、C−2における置換の、C−6における置換の比を表す。高分枝、非置換または低置換デンプン生成物は、分枝酵素を用いたトランスグルコシド化ステップによって達成可能な6%〜50%の好ましい分枝度を有する。なおさらに好ましくは、分枝度は、10〜45の、さらに好ましくは20〜40の範囲、例えば20、25、30、35、または40である。20を超えて40までの、好ましくは20を超えて30までの、例えば21〜40の、好ましくは21〜30の範囲も好ましい。この目的に使用できる開始物質は、原則として任意のデンプンであるが、好ましくは高い割合のアミロペクチンを有するワックス状デンプンまたはアミロペクチン画分そのものである。デンプン生成物の本発明による使用のために必要である分枝度は、これらの「他のデンプン」に関する限り、アンヒドログルコースのモル%で表した、8%〜20%の範囲内である。このことは、本発明の目的に使用できるデンプン生成物が平均で1個のα−1.6結合を、したがって12.5〜5グルコース単位ごとに1個の分枝点を有することを意味する。好ましい高分岐、非置換または低置換デンプン生成物は、10%を超えて20%までの、特に11%〜18%の分枝度を有する。より高い分枝度は、本発明のデンプン生成物のより高い溶解度および体内でのこれらの溶解したデンプン生成物のより高い生物学的利用能を意味する。分枝度が10%超の、特に11%〜18%の未修飾デンプン生成物が特に選好される。高分枝、非置換または低置換デンプン生成物は、遊離ヒドロキシル基のヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル基による部分誘導体化が適切に後続する、いわゆる分枝または転移酵素を使用する標的化酵素的構築によって調製できる。この代わりに、いわゆる分枝または転移酵素を使用する酵素的構築によって、ヒドロキシエチル化またはヒドロキシプロピル化デンプンを高分枝、非置換または低置換デンプン生成物に変換することも可能である。10%までの分枝度を持つ分枝デンプン生成物をコムギデンプンから酵素的に得ることは、それ自体公知であり、例えば国際公開第00/66633号パンフレットに記載されている。好適な分枝または転移酵素およびそれを得ることは、国際公開第00/18893号パンフレット、米国特許第4454161号明細書、欧州特許出願公開第0418945号明細書、特開2001−294601号公報または米国特許出願公開第2002/065410号明細書に記載されている。この後者の刊行物は、4%を超え10%以上の分枝度を有する未修飾デンプン生成物について記載している。酵素的トランスグリコシル化は、それ自体公知の方式で、例えばワックス状コーンスターチ、高いアミロペクチン含有量を有するジャガイモから得たジャガイモデンプン、またはコメからの、マニオクからの、コムギからの、高いアミロペクチン含有量を有するコムギからの、トウモロコシからの、高いアミロペクチン含有量を有するトウモロコシからの、もしくは高いアミロース含有量を有するトウモロコシからのデンプンを適切な酵素によって、水溶液中で6〜8のpH値および25〜40℃の温度の穏和な条件下でインキュベートすることによって実施できる。分子量Mwは、高分枝、非置換または低置換デンプン生成物の状況で使用するように、重量平均分子量を意味する。これは、それ自体公知の方式で各種の方法によって、すなわち光散乱およびRI検出と併せたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定できる。置換デンプンに好ましいC2/C6比は、5〜9の範囲内である。高分枝、非置換または低置換デンプン生成物の高い分岐度によって、その水への溶解度は、デンプン生成物を溶解させておくために、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル置換が完全にまたは実質的に分配できるような程度まで上昇する。高分枝、非置換または低置換デンプン生成物の平均分子量は、腹膜の浸透限界による好適な方式で増加させることができる。この場合に使用できる特徴的な変数は、いわゆるボトム画分のGPC値BF90%(より小さい分子画分の割合の尺度としての、ピーク面積の90%での分子量)でもある。分子量の適切な上昇と同時の、腹膜での急激な吸収低下によって、より高い限外濾過(UF)効率が達成可能である。同時に、内在性アミラーゼによる分解によって産生され、もはやアミラーゼによってさらに分解することができず、臓器または組織に貯蔵されている高分子量残留断片は、もはや発生しないか、または今やわずかな程度までしか発生しない。]
[0064] 本発明により、ヒドロキシアルキルデンプンは架橋化合物M−L−Aと反応し、式中、Mはアミノ基であり、Aはアセタール基またはケタール基であり、M基および基Lは好適なスペーサによって分離されている。]
[0065] (アセタールまたはケタール基A)
アセタール基またはケタール基Aに関する限り、具体的な制限は存在しない。本発明の状況において、「アセタール基」という用語は硫黄アセタールおよび窒素アセタールも含み、「ケタール基」という用語は硫黄ケタールおよび窒素ケタールも含む。さらに、「アセタール基」という用語に関する限り、ヘミアセタールは明示的に除外され、「ケタール基」という用語に関する限り、ヘミケタールは明示的に除外される。]
[0066] 本発明の好ましい実施形態により、架橋化合物M−L−AのA基は、式(IIa)



で示す残基であり、
Z1およびZ2はそれぞれ独立して、OまたはSまたはNRxであり、好ましくはOであり、ここでRxは、Hまたは低級アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピル、例えばn−プロピルもしくはi−プロピル、またはC(O)−Ryであり、ここでRyは、好ましくはC1−C6アルキルおよびC6−C14アリールからなる群よりは選択され、なおさらに好ましくは場合により置換された、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され;Rxは好ましくはHである。
A1およびA2はそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであり、または式(IIb)



で示す環を形成し
A1およびA2はひとまとめにされて、−(CH2)2−または−(CH2)3−または−(CH2CH(CH3))−であり、ならびに
A3は、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであり、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成する。]
[0067] 好ましくは、Z1およびZ2の少なくとも1つがOであり、好ましくはZ1およびZ2の両方がOである。]
[0068] 残基A3に関する限り、本発明に従ってアセタール基が好ましく、すなわちA3は好ましくはHである。]
[0069] Aがケタール基である場合、A3はメチルであることが好ましい。したがって、本発明により考えられるケタール基Aは、特に



または、



または、



または、



または、



または、



である。]
[0070] A3が例えば、アミノ基MのN原子またはLに含まれる好適な元素のどちらかと環を形成する場合、本発明により考えられる架橋性化合物は、例えば



または、



または、



である。]
[0071] 本発明による特に好ましい架橋性化合物は



であり、すなわちアミノ基Mは2級アミンであり、Z1およびZ2はどちらもOであり、A1およびA2はひとまとめにされて−(CH2)2−である。]
[0072] 好ましい実施形態により、A1およびA2はそれぞれメチルまたはエチル、なおさらに好ましくはエチルである。したがって、本発明による特に好ましいアセタール基Aは、−CH(OCH3)2または−CH(OC2H5)2、特に−CH(OC2H5)2である。]
[0073] A1およびA2が式(IIb)による環を形成するさらなる実施形態により、A1およびA2はひとまとめにされて、好ましくは−(CH2)2−である。本実施形態に関する限り、本発明による特に好ましいアセタール基Aは、



および



である。]
[0074] (アミノ基M)
アミノ基Mに関する限り、アミノ酸が酸化または非酸化還元末端のどちらかと、すなわちHAS、好ましくはHESの還元末端サッカライドユニットの炭素原子C*を介して、非酸化状態で、すなわちヘミアセタールとしてもしくは遊離アルデヒド基として、または酸化状態で、すなわちラクトンとしてもしくは遊離カルボキシ基として反応できるという条件で、特定の制限は存在しない。「アミノ基」という用語は本願明細書で使用するように、アミノ基、例えばプロトン化アミノ基の、製薬的に許容されるアニオンとの好適な塩、例えば塩化物、硫酸水素塩、硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、リン酸塩、またはリン酸水素塩も含む。]
[0075] 好ましくは、本発明による架橋化合物M−L−Aのアミノ基は、式(IIc)



で示す基であり、
Yは、存在しないか、または



からなる群より選択される化学部分であるかのどちらかであり、Gは、OまたはSまたはNHであり、2個存在する場合には、各Gは独立して、OまたはSまたはNHであり、Gは好ましくはOであり、ならびに
R’は、Hまたはヒドロキシ基またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、および置換アルキルアリールからなる群より選択される有機残基である。本明細書において、「アルキル」という用語は、非分枝アルキル残基、分枝アルキル残基、およびシクロアルキル残基に関する。好ましくは、これらの有機残基のそれぞれが1〜10個の炭素原子を有する。考えられる置換基として、ハロゲン、例えばF、ClまたはBrが挙げられる。好ましくは、有機残基は非置換炭化水素である。]
[0076] R’がヒドロキシ基である場合、本発明の好ましいアミノ基はHO−NH−であり、すなわちYは存在しない。]
[0077] 好ましくは、R’が有機残基である場合、R’は、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択され、アルキル残基が特に好ましい。なおさらに好ましくは、場合により置換されたアルキル残基は、1〜10個の、さらに好ましくは1〜6個の、さらに好ましくは1〜4個の、例えば1、2、3、または4個の炭素原子を有する。したがって、本発明による好ましい有機残基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルである。特に好ましい実施形態により、有機残基R’は、メチルまたはエチル、特にメチルである。]
[0078] したがって、R’が有機残基である場合、本発明による好ましいアミノ基は、例えばH3C−CH2−NH−、H3C−NH−、H5C6−NH−、H3C−CH2−NH−O−、H3C−NH−O−、H5C6−NH−O−であり、H3C−NH−、H5C6−NH−およびH3C−NH−O−が特に好ましい。]
[0079] 本発明によれば、R’が独立した残基ではなく、Lに含まれる好適な原子と、または架橋性化合物のA基の残基A3と環構造を形成することも可能である。これらの構造も、R’に関して「アルキル」という用語の上述の定義に含まれる。一例として、R’は、架橋性化合物のA基の残基A3と環構造を形成可能であり、Aはケタール基である。考えられる架橋性化合物は、例えば



または、



または



である。]
[0080] この場合、本発明に係る特に好ましい架橋性化合物は、



であり、すなわちアミノ基Mは2級アミンであり、Z1およびZ2はどちらもOであり、A1およびA2はひとまとめにされて−(CH2)2−である。]
[0081] 本発明の好ましい実施形態において、R’はHである。したがって、本発明の好ましいアミノ基は、



であり、式中、Gは、OまたはSであり、2個存在する場合は、独立してOまたはSであり、Oが好ましい。]
[0082] 本発明の特に好ましいアミノ基Mは、R’がHである場合、H2N−、H2N−O−、およびH2N−NH−(C=O)−である。]
[0083] したがって、本発明は、上述の方法および誘導体にも関し、アミノ基Mは、H2N−、H2N−O−、H2N−NH−(C=O)−、H3C−NH−またはH3C−NH−O−、好ましくはH2N−、H2N−O−、またはH2N−NH−(C=O)−である。]
[0084] (スペーサL)
本発明により、架橋性化合物の官能基MおよびAは、好適なスペーサによって分離される。「スペーサ」という用語は本願明細書によって使用するように、MおよびAを架橋する任意の好適な化学部分に関する。]
[0085] 一般に、Lが特に新規誘導体の調製のための本発明の方法の実施を可能にして、新規誘導体にその所期の使用に関する限り好適な化学的特性を与える化学的特性を有するという条件で、スペーサLの化学的性質に関して特定の制限はない。]
[0086] 本発明の好ましい実施形態により、MおよびAを架橋するLは、式(IId)



で示す少なくとも1個の構造単位を含むスペーサであり、
L1およびL2はそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”からなる群より選択される有機残基であり、R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択される。]
[0087] 本明細書において、「アルキル」という用語は、非分枝アルキル残基、分枝アルキル残基、およびシクロアルキル残基に関する。好ましい置換基として、ハロゲン、例えばF、ClまたはBrが挙げられる。]
[0088] 好ましくは、L1およびL2はそれぞれ独立して、Hまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基であり、さらに好ましくは、L1およびL2はそれぞれ独立して、Hまたはアルキルであり、なおさらに好ましくは、L1およびL2のどちらもHである。]
[0089] 好ましくは、L1およびL2が有機残基である場合、L1およびL2のそれぞれが独立して、1〜20個の、好ましくは1〜10個の、さらに好ましくは1〜8個の、さらに好ましくは1〜6個の、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子を含有することができる。特に好ましいのは、場合により置換された、好ましくは非置換メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル残基などの残基L1およびL2である。本発明により、L1はHであることができ、L2は上で定義したような有機残基であることができる。]
[0090] 整数nに関する限り、nは、好ましくは1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは2である。]
[0091] 整数nが1より大である場合、基(CL1L2)は、相互に同じまたは異なり得る。本発明の好ましい実施形態により、相互に直接結合した基(CL1L2)は同じ構造を有する。]
[0092] 本発明の好ましい実施形態により、スペーサLは、L1およびL2が上で定義した通りである式(IId)による構造単位より成る。さらに好ましくは、整数nは1〜20、さらに好ましくは1〜10、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。なおさらに好ましくは、基(CL1L2)のそれぞれは、MおよびAを架橋するスペーサLが構造



を有するように(CH2)であり、式中、整数nは1〜20、さらに好ましくは1〜10、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。なおさらに好ましくは、nは、1〜6の範囲、さらに好ましくは1〜4の範囲、例えば1、2、3、または4、特に2である。]
[0093] したがって、本発明の特に好ましい実施形態により、スペーサLは、−CH2−CH2−である。]
[0094] 本発明のさらなる実施形態により、架橋性化合物のスペーサLは、式(IId)



で示す少なくとも1個の構造単位を含み、
式中、n、L1およびL2は、好ましくは上で定義した通りであり



および式中、Lは、−(CL1L2)−とは異なる少なくとも1個の化学部分をさらに含む。]
[0095] 本明細書において、スペーサLが構造単位−(CL1L2)n−および−(CL1L2)n−をM基またはA基から分離するさらなる化学部分Tからなる実施形態が言及され得る。スペーサLが構造単位−(CL1L2)n−およびT1が−(CL1L2)n−をM基から分離して、T2が−(CL1L2)n−をA基から分離する2個のさらなる化学部分からなる実施形態も考えられる。したがって、本発明は、以下の構造の1つを有する架橋化合物による実施形態も含む。
M−T−(CL1L2)n−A
M−(CL1L2)n−T−A
M−T1−(CL1L2)n−T2−A]
[0096] 化学部分T、T1またはT2に関して、Lが特に新規誘導体の調製のための本発明の方法の実施を可能にして、新規誘導体にその所期の使用に関する限り好適な化学的特性を与える化学的特性を有するという条件で、化学的性質に関して特定の制限はない。]
[0097] したがって、T、T1および/またはT2は、場合により置換されたアリール残基、好適なヘテロ原子、好適な官能基などを含み得る。官能基に関する限り、これらの官能基が架橋性化合物の調製から生じる実施形態に言及することができ、この実施形態では少なくとも第1の化合物および少なくとも第2の化合物が相互に反応して化合物M−L−Aを与える。一例として、第1の化合物M−L’−W1および第2の化合物W2−L”−Aを反応させて架橋性化合物M−L−Aを得ることができ、式中、−L−は−L’−F−L”であり、Fは、官能基W1と官能基W2との反応から生じた官能基を表し、ここでL’およびL”の少なくとも一方が構造単位−(CL1L2)n−を含む。このような官能基W1およびW2は好適に選択され得る。一例として、基W1およびW2の一方、すなわちW1またはW2は、以下のリストによる官能基からなる群より選択され得るが、他方の基W1またはW2は、好適に選択され、W1またはW2との化学結合を形成することが可能であり、ここでW2またはW1は好ましくは、上述の群からも選択される。
−C−C二重結合またはC−C三重結合または芳香族C−C結合。
−チオ基またはヒドロキシ基。
−アルキルスルホン酸ヒドラジド、アリールスルホン酸ヒドラジド。
−1,2−ジオール。
−1,2−アミノ−チオアルコール。
−アジド。
−1,2−アミノアルコール。
−アミノ基−NH2またはアミノアルキル基、アミノアリール基、アミノアラルキル基、もしくはアルカリアミノ基などの構造単位−NH−を含むアミノ基の誘導体。
−ヒドロキシアミノ基−O−NH2またはヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアリールアミノ基、ヒドロキシアラルキルアミノ基、もしくはヒドロキシルアルカリルアミノ基などの構造単位−O−NH−を含むヒドロキシアミノ基の誘導体。
−それぞれ構造単位−NH−O−を含む、アルコキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、アラルキルオキシアミノ基、またはアルカリルオキシアミノ基。
−カルボニル基を有する残基、−Q−C(=G)−M’、式中、Gは、OまたはSであり、M’は例えば、
−−−OHまたは−SH。
−−アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、またはアルカリルオキシ基。
−−アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、またはアルカリルチオ基。
−−アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アラルキルカルボニルオキシ基、アルカリルカルボニルオキシ基。
−−活性化エステル、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドなどのイミド構造を有するヒドロキシルアミンのエステル。
−−NH−NH2、または−NH−NH−。
−−NO2。
−ニトリル基。
−カルボニル基、例えばアルデヒド基またはケト基。
−カルボキシ基。
−−N=C=O基または−N=C=S基。
−ビニルハライド基、例えばヨウ化ビニルまたは臭化ビニル基またはトリフレート。
−−C≡C−H。
−−(C=NH2Cl)−Oアルキル
−基−(C=O)−CH2−Hal、ここでHalは、Cl、Br、またはIである。
−−CH=CH−SO2−。
−構造−S−S−を含むジスルフィド基。




基。




基。]
[0098] 一例として、W1またはW2は、カルボキシ基または活性化エステルであり得て、およびW1またはW2は、官能基W1と官能基W2との反応から生じる官能基を表すFがアミドまたはエステルであるように、アミノ基またはヒドロキシ基であり得る。]
[0099] したがって、一例として、構造単位−(CL1L2)n−以外に官能基を含む、スペーサLを有する架橋性化合物は、
M−L’−(C=O)−NH−(CL1L2)n−A
または
M−L’−(C=O)−O−(CL1L2)n−A
または
M−L’−NH−(C=O)−(CL1L2)n−A
または
M−L’−O−(C=O)−(CL1L2)n−A
または
M−(CL1L2)n−(C=O)−NH−L”−A
または
M−(CL1L2)n−(C=O)−O−L”−A
または
M−(CL1L2)n−NH−(C=O)−L”−A
または
M−(CL1L2)n−O−(C=O)−L”−A
などの構造を有し得て、式中、L’およびL”は、構造単位−(CL1L2)n−を含むことも含まないこともある。]
[0100] これらの構造のうち、構造
M−L’−(C=O)−NH−(CL1L2)n−A
または
M−(CL1L2)n−(C=O)−NH−L”−A
を有する架橋性化合物が好ましい。]
[0101] また、これらの構造の中で、L’およびL”が存在する場合、単位−(CL1L2)n−を含有するスペーサが好ましい。これらの場合で、nが1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲、例えば1,2、または3であることがなおさらに好ましい。所与のスペーサが例えば2個の構造単位−(CL1L2)n−を含有する場合、各構造単位の添字nは同じであることもできまたは異なることもできる。]
[0102] したがって、以下の構造を有する以下の架橋性化合物が好ましい。
M−(CL1L2)n−(C=O)−NH−(CL1L2)n−A
式中、各nはそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲、例えば1、2、または3である。したがって、好ましいスペーサLは、構造
−(CL1L2)n−(C=O)−NH−(CL1L2)n−
を有する。]
[0103] したがって、特に好ましい-(C=O)−NH−を含有する架橋性化合物は、
M−(CL1L2)3−(C=O)−NH−(CL1L2)3−A
または
M−(CL1L2)3−(C=O)−NH−(CL1L2)2−A
または
M−(CL1L2)2−(C=O)−NH−(CL1L2)3−A
または
M−(CL1L2)2−(C=O)−NH−(CL1L2)2−A[RS1]
である。]
[0104] さらに好ましい-(C=O)−NH−を含有する架橋性化合物は、
M−(CL1L2)3−(C=O)−NH−(CL1L2)2−A
または
M−(CL1L2)2−(C=O)−NH−(CL1L2)2−A
である。]
[0105] なおさらに好ましくは、L1およびL2はどちらもHである。したがって、次の構造を有する架橋性化合物、
M−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)3−A
または
M−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−A
または
M−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)3−A
または
M−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−A[RS2]
が特に好ましい。]
[0106] 次の構造を有する架橋性化合物
M−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−A
または
M−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−A
が最も好ましい。]
[0107] 一例として、本発明の好ましい架橋性化合物



または



または



または



または



である。]
[0108] 再度一例として、上述の構造を例証するために、本発明の状況で考えられる架橋性化合物は



であることができる。]
[0109] 本発明のさらなる実施形態により、スペーサLは、1個を超える構造単位−(CL1L2)n−を含み得て、ここでこれらの構造単位は、同じでありまたは異なり得て、すなわち構造はnならびに/またはL1および/もしくはL2が異なり得て、ここで少なくとも2個のこのような構造単位はOまたはSなどのヘテロ原子によって分離され得る。好ましくは、本実施形態により、スペーサLは、少なくとも1個の構造単位−(CL1L2)n1−O−(CL1L2)n2−、好ましくは−(CH2)n1−O−(CH2)n2を含み、式中、n1は、n2と等しいまたは異なり、および式中、スペーサLは、−(CL1L2)n1−を介して架橋性化合物、すなわち次のサブ構造
M−(CL1L2)n1−O−(CL1L2)n2−
を含む架橋性化合物のアミノ基Mに結合される。]
[0110] 好ましい考えられる実施形態により、
−((CL1L2)n1−O)m−(CL1L2)n2−
などのスペーサ構造が挙げられ、mは1〜20の、好ましくは1〜10の、さらに好ましくは1〜6、例えば1、2、3、4、5、または6の整数である。特に好ましくは、mは1、2、または3、さらに好ましくは2または3である。好ましくは、n1は2〜4、さらに好ましくは2である。好ましくは、n2は1〜4、さらに好ましくは1または2である。したがって、好ましい構造は、一例として、
−((CL1L2)2−O)m−(CL1L2)−
およびさらに好ましくは
−((CH2)2−O)m−CH2−
である。]
[0111] 再度一例として、上述の構造を例証するために、本発明の状況で好ましくは使用される架橋性化合物は



または



または



である。]
[0112] 本発明のさらなる実施形態により、M基およびA基は、M基のN原子およびケタール基AのC原子が環を形成するように、その少なくとも一方が−(CL1L2)n−を含む2個の好適な化学部分によって分離され得る。好ましい実施形態は、すでに上に示され、構造式



を有する。]
[0113] 本発明の特に好ましい架橋性化合物は、M基として、基H2N−または基H2N−O−または基H2N−NH−(C=O)−、特に好ましくはH2N−を、およびA基として、アセタール基、好ましくは構造式



を有するアセタール基を有する化合物であり、
さらに好ましくは、Z1およびZ2はOであり、ならびになおさらに好ましくは、A1およびA2はどちらもエチルである。なおさらに好ましくは、スペーサLは、構造単位−(CL1L2)n−から成り、L1およびL2は好ましくはHであり、および整数nはなおさらに好ましくは、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、さら好ましくは1〜4、さらに好ましくは2である。]
[0114] したがって、本発明による好ましい架橋性化合物は、一例として



(a1)または



(a2)または



(a3)または



(a4)または



(a5)または



(a6)または



(a7)または



(a8)または



(a9)または



(a10)または



(a11)または



(a12)または



(a13)または



(a14)または



(a15)または



(a16)または



(a17)または



(a18)または



(a19)または



(a20)または



(a21)
である。]
[0115] なおさらに好ましくは、架橋性化合物は、(a2)、(a4)、(a11)、(a12)、(a14)、(a16)、および(a18)の構造からなる群より選択される。さらに好ましくは、架橋性化合物は、(a2)、(a11)、(a12)、(a14)、(a16)、および(a18)の構造からなる群より選択される。特に、架橋性化合物は、(a2)、(a11)、(a12)、および(a16)の構造からなる群より選択される。]
[0116] 架橋性化合物M−L−Aとして特に好ましいのは、1−アミノ−3,3−ジエトキシプロパン、



である。]
[0117] 一例として、本発明により考えられるアミノ−アセタール架橋性化合物は、



4,4−ジエトキシ−2−メチルブタン−2−アミン



1−(1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン



1−(1,3−ジオソラン−2−イル)−2−メチルプロパン−2−アミン



4,4−ジエトキシ−N,2−ジメチルブタン−2−アミン



1−(1,3−ジオキサン−2−イル)−N,2−ジメチルメチルプロパン−2−アミン



1−(1,3−ジオソラン−2−イル)−N,2−ジメチルメチルプロパン−2−アミン



2,2−ジエトキシ−N−メチルエタンアミン



4,4−ジエトキシブタンイミドヒドラジド



3,3−ジメトキシプロパンイミドヒドラジド
である。]
[0118] 一例として、本発明により考えられるアミノ−ケタール架橋性化合物は、



1−オキサ−チア−8−アザスピロ[4.5]デカン



1,4−ジチア−8−アザスピロ[4.5]デカン



N−メチル−1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メタンアミン



1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンアミン



4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタン−1−アミン



1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘキサン−2−アミン



2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)−1−フェニルエタンアミン



1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン−2−アミン



3−メチル−1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタン−2−アミン



2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンアミン



3−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ペンタン−2−アミン



2−1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン−2−アミン



2−(4−メトキシフェニル)−2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンアミン



2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−(2−メチル−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンアミン



2,2−ジメチル−3−(2−メチル−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン−1−アミン



3−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−アミン



4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)−ブタン−2−アミン



5−メチル−5−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘキサン−1−アミン



2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン−1−アミン



7,2−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン−1−アミン



2−メチル−4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタン−2−アミン



4−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘキサン−1−アミン



4−アミノ−1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ペンタン−3−オール



3−(2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−アミン



2−メチル−1−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロパン−2−アミン



N−メチル−3−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタン−1−アミン



1−(2,5,5−トリメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン−4−アミン



3−(2−メチル−1,3−ジチアン−2−イル)プロパン−1−アミン



3,3−ジメチル−1−(2−メチル−1,3−ジチアン−2−イル)ブタン−2−アミン



3−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ブタン−2−アミン



1−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ペンタン−2−アミン



3−メチル−1−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ブタン−2−アミン



1,1,1−トリフルオロ−3−(2−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)プロパン−2−アミン
である。]
[0119] (ヒドロキシアルキルデンプン誘導体)
したがって本発明は、上述の方法によって得られるまたは得たヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体に関する。]
[0120] さらに、本発明は、式(III)



(III)
のHAS誘導体に関し、式中、Aは、アセタールまたはケタール基であり、Lは、XおよびAを架橋するスペーサである。
Xは、式(II)
M−L−A
で示す架橋性化合物のアミノ基Mと、式(I)



(I)
で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)とによるHASの炭素原子C*を介した反応から生じる官能基であり、C*は、HASのMとの反応の前に場合によっては酸化され、
HAS’は、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR1、R2およびR3は独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基である。]
[0121] HAS、好ましくはHES、L、A、R1、R2、およびR3に関する好ましい実施形態に関する限り、上述した実施形態を特に参照されたい。]
[0122] さらに、本発明は、R1、R2、およびR3が独立して−(CH2CH2O)n−H基(nは、整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、または6である)である上述したHAS誘導体に関する。]
[0123] さらに、本発明は、ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプン(HES)である上述したHAS誘導体に関する。]
[0124] さらに、本発明は、上述したHAS誘導体に関し、Aは、式(IIa)



(IIa)
による残基であり、
Z1およびZ2はそれぞれ独立して、OまたはSまたはNRx、好ましくはOであり、Rxは、Hまたは低級アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピル、好ましくはHであり、
A1およびA2はそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであり、または式(IIb)



(A1およびA2はひとまとめにされて、−(CH2)2−または−(CH2)3−または−(CH2CH(CH3))−である)による環を形成し、
A3は、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであり、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、A3は好ましくはHである。]
[0125] 本発明によるHAS誘導体の基Xの正確な化学的性質は、M基のそれぞれの化学的性質に、HASの還元末端の炭素原子C*の酸化状態に、ならびに反応条件、例えば反応に利用された溶媒、温度などに依存する。炭素原子C*が酸化および非酸化状態で利用される本発明の実施形態により、詳細なおよび好ましい実施例について以下で詳細に議論する。]
[0126] 好ましくはXに関する限り、本発明は、Xが−CH=N−、−CH2−NH−、−CH=N−O−、−CH2−NH−O−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−NH−NH−、−CH=N−NH−(C=O)−、−CH2−NH−NH−(C=O)−、好ましくは−CH2−NH−、−CH=N−、−CH=N−O−、−CH2−NH−O−、−CH=N−NH−(C=O)−からなる、ならびに−CH2−NH−NH−(C=O)−からなる、さらに好ましくは−CH2−NH−、−CH=N−、−CH=N−O−、および−CH2−NH−O−からなる群より選択される上述したHAS誘導体に関する。]
[0127] 基Xのある実施形態では、HAS誘導体に存在するようなHASの末端サッカライド単位が上の式(III)による開構造と平衡にあり得る環構造で存在し、環構造および開構造がある平衡分布を有することが考えられる。これらの場合では、および本発明の目的では、上に示したような式(III)は、環構造と同様に開構造を有し、式(III)は開構造に対してHAS誘導体を制限しない。詳細なおよび好ましい実施例について以下で詳細に議論するので、環構造をいくつかの場合で示す。]
[0128] さらに、本発明は、MおよびAを架橋するLが、式(IId)による少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサである、上述したHAS誘導体に関し



式中、L1およびL2はそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(ここでR”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択され)からなる群より選択される有機残基、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基、さらに好ましくはHまたはアルキル、さらに好ましくはHであり、
式中、nは、1〜20の、好ましくは1〜10の、さらに好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは2の整数である。]
[0129] HAS、好ましくはHESの場合により酸化された還元末端
本発明により、HAS、好ましくはHESは、デンプンの末端還元末端の炭素原子C*を介して架橋性化合物のアミノ基と反応することが可能であり、ここでC*は、HASとMとの反応の前に場合により酸化される。]
[0130] 「HASが還元末端を介して反応する」または「HASが末端還元末端の炭素原子C*を介して反応する」という用語は、本発明の状況で使用するように、HASが主にその(場合により選択的に酸化された)還元末端を介して反応するプロセスに関し得る。]
[0131] 「主にその(場合により選択的に酸化された)還元末端を介して」という用語は、所与の反応に利用されるHAS分子の統計的に50%超の、好ましくは少なくとも55%、さらに好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、およびなおさらに好ましくは少なくとも95%、例えば95%、96%、97%、98%、または99%がHAS分子による少なくとも1個の(場合により選択的に酸化された)還元末端を介して反応するプロセスに関し、ここで少なくとも1個の(場合により選択的に酸化された)還元末端を介して反応する所与のHAS分子が、同じ所与の反応において、該ポリマー分子に含まれ、還元末端でない少なくとも1個のさらなる好適な官能基を介して反応することが可能である。1個以上のHAS分子が少なくとも1個の(場合により選択的に酸化された)還元末端を介して、および同時にこのHAS分子に含まれ、(場合により選択的に酸化された)還元末端でない少なくとも1個のさらに好適な官能基を介して反応する場合、これらのHAS分子の反応した官能基すべての統計的に好ましくは50%超、好ましくは少なくとも55%、さらに好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、およびなおさらに好ましくは少なくとも95%、例えば95%、96%、97%、98%、または99%が(選択的に酸化された)還元末端であり、該官能基は(場合により選択的に酸化された)還元末端を含む。]
[0132] 「還元末端」という用語は、本発明の状況で使用するように、アルデヒド基としておよび/または対応するヘミアセタール形としておよび/またはアセタール基として存在し得るHAS分子の末端アルデヒド基に関し、アセタール基は以下の構造



を有し、上の式(I)による残基−OR3が−O−CH2−CH2−OHである場合に、存在できる。]
[0133] 還元末端が酸化されている場合、酸化された還元末端はカルボキシ基および/または対応するラクトンの形である。]
[0134] 酸化された還元末端
したがって、本発明の第1の実施形態により、架橋性化合物はアミノ基を介して、HAS、好ましくはHESの末端還元末端の酸化されたC*原子と反応する。]
[0135] 酸化はヒドロキシアルキルデンプンの酸化還元末端を生じるすべての好適な1つまたは複数の方法に従って実施され得るが、例えば、ここに引用することで本明細書の一部をなすものとするSommermeyerらの米国特許第6083909号明細書の第5欄第63〜67行及び第7欄第25〜39行、第8欄第53行〜第9欄第20行に記載されたようなアルカリ性ヨウ素溶液を使用して好ましくは実施され得る。]
[0136] HAS、好ましくはHESを選択的に酸化すると、HAS、好ましくはHESはラクトン



および/またはカルボン酸



またはカルボン酸の好適な塩、例えばアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウム塩であり、およびHAS’は好ましくはHES”である。]
[0137] 本発明の最初の代案に従って、HAS、好ましくはHESのこの形は、架橋性化合物のアミノ基Mなどと反応する。]
[0138] 本発明の第2の代案に従って、その還元末端で選択的に酸化されたHAS、好ましくはHESは、最初に好適な化合物と反応して、反応性カルボキシ基を含むHAS、好ましくはHESを生じる。]
[0139] その還元末端で選択的に酸化されたHASへの反応性カルボキシ基の導入は、すべての考えられる方法およびすべての好適な化合物によって実施され得る。]
[0140] 本発明の詳細な方法により、その還元末端で選択的に酸化されたHASはその酸化還元末端にて少なくとも1つのアルコール、好ましくは少なくとも1つの酸性アルコール、例えば25℃にて6〜12または7〜11の範囲のpKA値を有する酸性アルコールと反応する。酸性アルコールの分子量は、80〜500g/molの、例えば90〜300g/molの、または100〜200g/molの範囲であり得る。]
[0141] 好適な酸性アルコールは、酸性プロトンを有するすべてのアルコールH−O−RAであり、酸化されたHASと反応して、好ましくは式



による、なおさらに好ましくは式



による各反応性HASエステルを与えることができる。]
[0142] 好ましいアルコールは、N−ヒドロキシスクシンイミド、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドもしくはスルホ−N−N−ヒドロキシ、好適に置換されたフェノール、例えばp−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o’−ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、例えば2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、例えば2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、またはヒドロキシアゾール、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールである。特に好ましいのはN−ヒドロキシスクシンイミドであり、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドが特に好ましい。すべてのアルコールは単独で、またはその2つ以上の好適な組合せとして利用され得る。本発明の状況において、例えば炭酸のジエステルを添加することによって、各アルコールを放出する化合物を利用することも可能である。]
[0143] したがって、本発明は、その還元末端で選択的に酸化されたHASが、酸化HASを酸性アルコールと、好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミドおよび/またはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させることによって活性化する上述した方法にも関する。]
[0144] 本発明の好ましい実施形態により、その還元末端で選択的に酸化されたHASは、少なくとも1つのカルボン酸ジエステルRB−O−(C=O)−O−RC(式中、RBおよびRCは同じであることもできまたは異なることもできる)と反応する。好ましくは、本方法により、式



による反応性HASが得られ、式中、HAS’は好ましくはHES’である。]
[0145] 好適な炭酸ジエステル化合物として、そのアルコール成分が独立してN−ヒドロキシスクシンイミド、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドもしくはスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド、好適に置換されたフェノール、例えばp−ニトロフェノール、o,p−ジニトロフェノール、o,o’−ジニトロフェノール、トリクロロフェノール、例えば2,4,6−トリクロロフェノールもしくは2,4,5−トリクロロフェノール、トリフルオロフェノール、例えば2,4,6−トリフルオロフェノールもしくは2,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、またはヒドロキシアゾール、例えばヒドロキシベンゾトリアゾールである化合物が利用され得る。特に好ましいのはN,N’−ジスクシンイミジルカーボネートおよびスルホ−N,N’−ジスクシンイミジルカーボネートであり、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネートが特に好ましい。]
[0146] したがって、本発明は、その還元末端で選択的に酸化されたHASが、酸化HASをN,N’−ジスクシンイミジルカーボネートと反応することによって活性化される上述した方法にも関する。]
[0147] 酸性アルコールは、酸化HASまたは酸化HASの塩と、好ましくは5:1〜50:1の、さらに好ましくは8:1〜20:1の酸性アルコール、HASのモル比で、2〜40℃の、さらに好ましくは10〜30℃の、および特に好ましくは15〜25℃の好ましい反応温度にて反応する。反応時間は好ましくは、1〜10時間の、さらに好ましくは2〜5時間の、さらに好ましくは2〜4時間の、および特に2〜3時間の範囲である。]
[0148] 炭酸ジエステル化合物は、酸化HASまたは酸化HASの塩と、一般に1:1〜3:1の、例えば1:1〜1.5:1のジエステル化合物:HASのモル比で反応する。反応時間は一般に、0.2〜6時間の、または0.5〜2時間のまたは特に0.75〜1.25時間などの0.1〜12時間の範囲である。]
[0149] 本発明の好ましい実施形態により、酸化HASと酸性アルコールおよび/または炭酸ジエステルとの反応は、少なくとも1つの非プロトン性溶媒中で、例えば0.5重量パーセントを超えない、好ましくは0.1重量パーセントを超えない含水率を有する無水非プロトン性溶媒中で実施される。好適な溶媒は、特に、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびその2つ以上の混合物である。反応温度は好ましくは、2〜40℃の、さらに好ましくは10〜30℃の範囲である。]
[0150] 酸化HASを少なくとも1つの酸性アルコールと反応させるために、少なくとも1つのさらなる活性化剤を利用する。]
[0151] 好適な活性化剤は、特に、カルボニルジイミダゾール、カルボイミド、例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)であり、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)が特に好ましい。]
[0152] したがって、本発明は、その還元末端で選択的に酸化されたHASが、さらなる活性化剤の存在下で酸性アルコールと反応して反応性HASエステルを与える上述した方法にも関する。]
[0153] 本発明の一実施形態により、酸化HASと炭酸ジエステルおよび/または酸性アルコールとの反応は、反応混合物を水に10:1の水の反応混合物に対する体積比で添加することによって決定され得る低塩基活性にて実施される。添加の前に、本質的に緩衝剤を含まない水のpH値は、25℃にて7である。反応混合物の添加後に、pH値を測定することによって、反応混合物の塩基活性が得られ、好ましくは9.0以下の、好ましくは8.0以下の、および特に好ましくは7.5以下の値を有する。]
[0154] 本発明の別の実施形態により、酸化HASは、EDCを含む水の非存在下の無水DMA中でN−ヒドロキシスクシンイミドとEDCと反応して、式



によるポリマーN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを選択的に与え、
さらに好ましくはHAS’はHES’である。]
[0155] この反応によって、HESのOH基との反応から生じる副生成物は得られず、EDCにより生成されたO−アシルイソ尿素および酸化HASの各N−アシル尿素へ転位反応は、驚くほど抑制される。]
[0156] 本発明の別の好ましい実施形態により、酸化HASは水の非存在下および活性化剤の非存在下にて無水DMF中でN,N’−ジスクシンイミジルカーボネートと反応して、式



によるHAS−N−ヒドロキシスクシンイミドを選択的に与え、
さらに好ましくはHAS’はHES’である。]
[0157] 本発明の別の実施形態により、その還元末端にて選択的に酸化されたHASは、酸化された還元末端にてアゾリド、例えばカルボニルジイミダゾールまたはカルボニルジベンズイミダゾールと反応して、反応性カルボキシ基を有するポリマーを与える。カルボニルジイミダゾールの場合、式



による反応性イミダゾリドHAS誘導体が生じ、
式中、HAS’は好ましくはHES’である。]
[0158] 上述した、好ましくはHASと酸性アルコール、カーボネートおよび/またはアゾリドとの反応から生じた、少なくとも1個の反応性カルボキシ基を含む反応性HAS誘導体は、次に架橋性化合物Mのアミノ基Mとさらに反応する。]
[0159] 上述のように場合によりさらに活性化された酸化還元末端を介した、HASとアミノ基Mとの反応は、すべての好適な方法に従って実施できる。好ましくは、アミノ基は、1級アミノ基H2N−または2級アミノ基である。]
[0160] 一般に、好ましくは、ある量の、例えば最大10重量%の水も含有し得る極性非プロトン性溶媒が使用される。好ましい非プロトン性溶媒は特に、DMSOまたはDMFである。]
[0161] 好ましい反応温度範囲の例は0〜80℃、さらに好ましくは0〜70℃、さらに好ましくは0〜60℃、さらに好ましくは0〜50℃、およびなおさらに好ましくは0〜40℃である。]
[0162] 架橋性化合物が好ましい実施形態により、アミノ基MとしてH2N−を有する酸化形の還元末端を有するHASとの反応に使用される場合、HAS誘導体は、開始物質として利用されるHASおよび架橋性化合物がアミド結合を介して結合される本発明のステップ(i)によって得られ、得られたHAS誘導体はアセタールまたはケト基Aをさらに含有する。]
[0163] したがって、本発明は、(i)において、HASがその酸化還元末端を介して架橋性化合物のH2N−であるアミノ基Mと反応して、反応が0〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−(C=O)−NH−である、上述の方法にも関する。]
[0164] したがって本発明は、上述の方法によって得られるまたは得たHAS誘導体にも関する。]
[0165] さらに、本発明は、例えば以下の構造



を有するHAS誘導体にも関し、
式中、架橋性化合物のアミノ基Mが1級アミノ基である場合に、R’はHであり、式中、架橋性化合物のアミノ基Mが1級アミノ基である場合に、R’はH以外の化学基である。R’の正確な化学的性質は架橋性化合物に依存し、したがって上の一般に考えられるおよび好ましくは利用される架橋性化合物の議論を参照されたい。]
[0166] 本発明で利用される上述の好ましい架橋性化合物に従って、以下のHAS誘導体は、それぞれの場合において、HASが−本発明の好ましい実施形態により−HESである、一例として好ましい実施形態として挙げられる。



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または



または]
[0167] 構造(a2)、(a4)、(a11)、(a12)、(a14)、(a16)、および(a18)からなる群より選択される架橋性化合物に基づくHAS誘導体がさらに好ましい。なおさらに好ましいのは、構造(a2)、(a11)、(a12)、(a14)、(a16)、および(a18)からなる群より選択される架橋性化合物に基づくHAS誘導体である。特に好ましいのは、構造(a2)、(a11)、(a12)、および(a16)からなる群より選択される架橋性化合物に基づくHAS誘導体である。]
[0168] 特に好ましい実施形態により、本発明は、以下の構造、



を有するHES誘導体に関し、
式中、なおさらに好ましくは、HESは、約1〜約1000kDaの、さらに好ましくは約1〜約800kDaの、さらに好ましくは約1〜約500kDaの、さらに好ましくは約2〜約400kDaの、さらに好ましくは約5〜約300kDaの、さらに好ましくは約10〜約200kDaの、特に約50〜約150kDaの平均分子量、0.1〜3の、好ましくは0.4〜1.3の、例えば0.4、0.5、0.6、0.7 0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、または1.3のモル置換、および2〜20の範囲の、さらに好ましくは2〜15の範囲の、およびなおさらに好ましくは3〜12の範囲のC2:C6置換の比を有する。]
[0169] 非酸化還元末端
本発明の第2の好ましい実施形態により、架橋性化合物は、アミノ基を介してHAS、好ましくはHESの末端還元末端の非酸化C*原子と反応する、すなわちHAS分子の末端アルデヒド基はアルデヒド基として、および/または対応するヘミアセタール形として存在し得る。]
[0170] 非酸化還元末端を介したHASとアミノ基Mとの反応は、すべての好適な方法に従って実施できる。好ましくは、アミノ基Mは、H2N−、好適な2級アミノ基HNR’−、例えばH3C−NH−、H2N−O−、または好適な2級ヒドロキシアミノ基HNR’−O−、例えばH3C−NH−O−、またはH2N−NH−(C=O)−である。]
[0171] 好ましくは、アミノ基Mは、H2N−、H2N−O−、またはH2N−NH−(C=O)−、なおさらに好ましくはH2N−もしくはH2N−O−、および特にH2N−である。]
[0172] 本発明の好ましい実施形態により、この反応は水性系で実施される。「水性系」という用語は、本発明の明細書で使用するように、溶媒または含まれる溶媒の重量に基づいて少なくとも10重量%から、好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも80重量%、なおさらに好ましくは少なくとも90重量%または最大100重量%までの範囲で水を含む溶媒の混合物を指す。さらなる溶媒として、DMSO、DMF、エタノールまたはメタノールなどの溶媒が挙げられる。]
[0173] 好ましい実施形態により、HASが架橋性化合物と水性媒体中で反応して、架橋性化合物のアミノ基Mがヒドロキシルアミンまたはヒドラジドである場合、反応温度は好ましくは5〜45℃の範囲、さらに好ましくは10〜30℃の範囲、および特に好ましくは15〜25℃の範囲である。]
[0174] 本発明の別の好ましい実施形態により、HASが架橋性化合物と水性媒体中で反応して、架橋性化合物のアミノ基Mが基H2N−またはR’HNである場合、反応は還元的アミノ化であり、温度は、好ましくは100℃までの範囲、さらに好ましくは10〜90℃の範囲、さらに好ましくは20〜80℃の範囲、さらに好ましくは30〜70℃の範囲および特に好ましくは40〜60℃の範囲である。]
[0175] 反応過程の間、温度は、好ましくは上述の範囲で変化し得るか、または本質的に一定に維持され得る。]
[0176] HASと架橋性化合物Mとの反応の反応時間は、詳細な要求に適合させることができ、一般に1時間〜7時間の範囲である。例えばアミノ基Mがヒドロキシルアミンまたはヒドラジドである場合、反応時間は、好ましくは1時間〜3日間、さらに好ましくは2時間〜48時間、および特に好ましくは3〜24時間である。]
[0177] 例えばHASと架橋性化合物との反応が還元的アミノ化である場合、反応時間は好ましくは1時間〜7日間、さらに好ましくは4時間から6日間、さらに好ましくは8時間〜5日間の範囲、およびなおさらに好ましくは16時間〜3日間の範囲である。]
[0178] HASと架橋性化合物との反応のpH値は、反応物質の化学的性質などの詳細な要求に適合されることができる。例えば架橋性化合物のM基がヒドロキシルアミンまたはヒドラジドである場合、pH値は、好ましくは3〜9の、さらに好ましくは4〜8の、およびなおさらに好ましくは4.5〜6.5の範囲である。]
[0179] 例えばHASと架橋性化合物との反応が還元的アミノ化である場合、pH値は、好ましくは3〜9の、さらに好ましくは3.5〜8の、およびなおさらに好ましくは4〜6の範囲である。]
[0180] 反応混合物の好適なpH値は、各反応ステップで、少なくとも1つの好適な緩衝剤を添加することによって調整され得る。好ましい緩衝剤剤のうちで酢酸塩緩衝剤、好ましくは酢酸ナトリウム緩衝剤、リン酸塩またはホウ酸塩緩衝剤が挙げられる。]
[0181] 架橋性化合物が、好ましい実施形態により、アミノ基MとしてH2N−を有する非酸化形の還元末端を有するHASとの反応に使用される場合、HAS誘導体は、開始物質として利用されるHASおよび架橋性化合物がイミン結合を介して結合される本発明のステップ(i)によって得られ、得られたHAS誘導体はアセタールまたはケト基Aをさらに含有する。反応が好適な還元剤の存在下にて還元的アミノ化条件下で実施される場合、HAS誘導体は、開始物質として利用されるHASおよび架橋性化合物がアミン結合を介して結合される本発明のステップ(i)によって得られ、得られたHAS誘導体はアセタールまたはケト基Aをさらに含有する。]
[0182] したがって、本発明は、ステップ(i)において、HASが好ましくは水性系において、その非酸化還元末端を介して架橋性化合物のH2N−であるアミノ基Mと反応して、反応が4〜7の範囲のpHにて20〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−CH=N−である、上述の方法にも関する。]
[0183] さらに、本発明は、ステップ(i)において、反応が還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、有機ボラン錯体、例えば4−(ジメチルアミン)ピリジンボラン錯体、N−エチルジイソプロピルアミンボラン錯体、N−エチルモルホリンボラン錯体、N−メチルモルホリンボラン錯体、N−フェニルモルホリンボラン錯体、ルチジンボラン錯体、トリエチルアミンボラン錯体、またはトリメチルアミンボラン錯体、好ましくはNaCNBH3の存在下で実施されてHAS誘導体が得られ、Xが−CH2−NH−である、上述の方法にも関する。]
[0184] 本発明の還元的アミン化に使用するこれらの還元剤の濃度は、それぞれの場合で反応溶液の体積に関連して、好ましくは0.01〜2.0mol/lの範囲、さらに好ましくは0.05〜1.5mol/lの範囲、およびさらに好ましくは0.1〜1.0mol/lの範囲である。]
[0185] MがH2N−であり、架橋性化合物とHASとの反応が還元的アミノ化条件下で実施される上述の好ましい実施形態により、架橋性化合物:HASのモル比は、好ましくは1:1〜100:1、さらに好ましくは2:1〜80:1、さらに好ましくは3:1〜70:1、さらに好ましくは4:1〜60:1、およびさらに好ましくは5:1〜50:1の範囲である。]
[0186] MがH2N−であり、架橋性化合物とHASとの反応が還元的アミノ化条件下で実施される上述の好ましい実施形態により、水性系のHAS、好ましくはHESの濃度は、それぞれの場合で反応溶液の重量に関連して、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜45重量%、およびさらに好ましくは5〜40重量%の範囲である。]
[0187] 架橋性化合物が、好ましい実施形態により、アミノ基MとしてH2N−O−またはH2N−NH−(C=O)−を有する非酸化形の還元末端を有するHASとの反応に使用される場合、HAS誘導体は、開始物質として利用されるHASおよび架橋性化合物が−CH=N−O−結合または−CH=N−NH−(C=O)−結合を介して結合され、得られたHAS誘導体がアセタールまたはケト基Aをさらに含有する、本発明のステップ(i)によって得られる。反応が好適な還元剤の存在下にて還元条件下で実施される場合、HAS誘導体は、開始物質として利用されるHASおよび架橋性化合物が−CH2−NH−O−結合または−CH2−NH−NH−(C=O)−結合を介して結合される本発明のステップ(i)によって得られ、得られたHAS誘導体がアセタールまたはケト基Aをさらに含有する。]
[0188] したがって本発明は、ステップ(i)において、HASが好ましくは水性系において、その非酸化還元末端を介して架橋性化合物のH2N−O−またはH2N−NH−(C=O)−であるアミノ基Mと反応して、反応が4.5〜6.5の範囲のpHにて5〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−CH=N−O−または−CH=N−NH−(C=O)−である、上述の方法にも関する。]
[0189] さらに本発明は、ステップ(i)において、反応が還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、有機ボラン錯体、例えば4−(ジメチルアミン)ピリジンボラン錯体、N−エチルジイソプロピルアミンボラン錯体、N−エチルモルホリンボラン錯体、N−メチルモルホリンボラン錯体、N−フェニルモルホリンボラン錯体、ルチジンボラン錯体、トリエチルアミンボラン錯体、またはトリメチルアミンボラン錯体、好ましくはNaCNBH3の存在下で実施されてHAS誘導体が得られ、Xが−CH2−NH−O−または−CH2−NH−NH−(C=O)−である、上述の方法にも関する。]
[0190] 本発明の本反応に使用するこれらの還元剤の濃度は、それぞれの場合で反応溶液の体積に関連して、好ましくは0.001〜2.0mol/lの範囲、さらに好ましくは0.01〜1.0mol/lの範囲、およびさらに好ましくは0.1〜0.8mol/lの範囲である。]
[0191] MがH2N−O−またはH2N−NH−(C=O)−であり、架橋性化合物とHASとの反応が還元条件下で実施される上述の好ましい実施形態により、架橋性化合物:HASのモル比は、好ましくは1:1〜100:1、さらに好ましくは2:1〜80:1、さらに好ましくは3:1〜70:1、さらに好ましくは4:1〜60:1、およびさらに好ましくは5:1〜50:1の範囲である。]
[0192] MがH2N−であり、架橋性化合物とHASとの反応が還元的アミノ化条件下で実施される上述の好ましい実施形態により、水性系のHAS、好ましくはHESの濃度は、それぞれの場合で反応溶液の重量に関連して、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜45重量%、およびさらに好ましくは5〜40重量%の範囲である。]
[0193] したがって本発明は、上述の方法によって得られるまたは得たHAS誘導体にも関する。]
[0194] さらに、本発明は、例えば以下の構造式



(反応条件および/もしくは架橋性化合物の詳細な化学的性質に応じて、C−N二重結合は、EもしくはZ立体配座で存在し得て、そこではある平衡分布を有する両方の形の混合物も存在し得る)、
または、本発明の目的のために上の開構造と同一と見なされ得る、対応する環状の構造式



(反応条件および/もしくは架橋性化合物の詳細な化学的性質に応じて、これらのHAS誘導体は、エクアトリアル位もしくはアキシアル位のN原子と共に存在し得て、そこではある平衡分布を有する両方の形の混合物がまた存在し得る)



または



または対応する環状の構造式



または



または



または対応する環状の構造式



または



を有するHAS誘導体にも関する。]
[0195] 上述の好ましい架橋性化合物に従って、以下のHAS誘導体は、一例として好ましい実施形態として挙げられ、それぞれの場合において、HASが−本発明の好ましい実施形態により−HESであり、



ここで対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式も含まれ、または



または



ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



または



が含まれ、
ここで、対応する環状の構造式、すなわち



が含まれる。]
[0196] (a2)、(a4)、(a11)、(a12)、(a14)、(a16)、および(a18)の構造からなる群より選択される架橋性化合物に基づくHAS誘導体がさらに好ましい。なおさらに好ましいのは、(a2)、(a11)、(a12)、(a14)、(a16)、および(a18)の構造からなる群より選択される架橋性化合物に基づくHAS誘導体である。特に好ましいのは、(a2)、(a11)、(a12)、および(a16)の構造からなる群より選択される架橋性化合物に基づくHAS誘導体である。]
[0197] 特に好ましい実施形態により、本発明は、以下の構造式、



対応する環状の構造式



および/または



を有するHES誘導体に関し、
さらに好ましくは、HESは、約1〜約1000kDa、さらに好ましくは約1〜約800kDa、さらに好ましくは約1〜約500kDa、さらに好ましくは約2〜約400kDa、さらに好ましくは約5〜約300kDa、さらに好ましくは約10〜約200kDa、特に約50〜約150kDaの平均分子量、0.1〜3の、好ましくは0.4〜1.3の、例えば0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、または1.3のモル置換、および2〜20の範囲の、さらに好ましくは2〜15の範囲の、およびなおさらに好ましくは3〜12の範囲のC2:C6置換の比を有する。]
[0198] (HASに関する他の考えられる実施形態)
完全を期すために、本発明により好ましくはないが、少なくとも2個のアルデヒド基が以下の式によるHASに導入されるように、HASが架橋性化合物との反応の前に酸化されることが考えられることに言及するものとする。]
[0199] 一般に、ポリマーの少なくとも1個のサッカライド環を酸化して少なくとも1個の、好ましくは少なくとも2個のアルデヒド基を有するサッカライド開環を与えることができる、各酸化剤または酸化剤の組合せが利用され得る。本反応は、酸化されて2個のアルデヒド基を有する開環を与えるHASのサッカライド環を示す、以下の反応スキームによって例証され得る。]
[0200] 好適な酸化剤は特に、過ヨウ素酸塩、例えばアルカリ金属化ヨウ素酸塩またはその2つ以上の混合物であり、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウムが好ましい。これらのアルデヒド基は架橋性化合物M−L−Aとアミノ基Mを介して反応できることが考えられる。]
[0201] (単離および/または精製)
一般に、本発明のステップ(i)からのHAS誘導体は続いて、以下に記載するように反応する。好ましい実施形態により、ステップ(i)からのHAS誘導体は、反応ステップ(i)の後に好適に精製される。]
[0202] ステップ(i)からのHAS誘導体の精製のために、一例として以下の可能性A)〜C)を挙げることが可能であり、ここでは可能性A)が好ましい。
A)水または好ましくは0.1〜100mmol/lの、さらに好ましくは1〜50mmol/lおよびさらに好ましくは5〜20mmol/lの、例えば約10mmol/mlの濃度、好ましくは2〜10の、さらに好ましくは4〜10の、さらに好ましくは6〜10およびさらに好ましくは8〜10の範囲、例えば約9のpHを有する緩衝水溶液を使用する限外濾過、交換サイクルの回数は、好ましくは10〜50、さらに好ましくは10〜40およびなおさらに好ましくは10〜30、例えば約20である。
B)水または好ましくは0.1〜100mmol/lの、さらに好ましくは1〜50mmol/lおよびさらに好ましくは5〜20mmol/lの、例えば約10mmol/mlの濃度、2〜10、さらに好ましくは4〜10の、さらに好ましくは6〜10およびさらに好ましくは7〜9の好ましい範囲のpHを有する緩衝水溶液を使用する透析、ここで5〜20重量%の好ましい濃度でHAS誘導体を含有する溶液が利用され;ならびにここで緩衝剤または水は、HES誘導体溶液に対して特に約100:1の過剰量で使用される。
C)エタノールまたはイソプロパノールによる沈殿、遠心分離および約10重量%の好ましい濃度を有する溶液を得るための水への再溶解、ならびに水または好ましくは0.1〜100mmol/lの、さらに好ましくは1〜50mmol/lおよびなおさらに好ましくは5〜20mmol/lの、例えば約10mmol/mlの濃度、2〜10の、さらに好ましくは4〜10の、さらに好ましくは6〜10およびさらに好ましくは7〜9の好ましい範囲のpHを有する緩衝水溶液を使用する、続いての限外濾過、交換サイクルの回数は、好ましくは10〜40、さらに好ましくは10〜30およびなおさらに好ましくは10〜20、例えば10である。]
[0203] 好ましい精製ステップの後、HAS誘導体は好ましくは固体として得られる。本発明のさらに考えられる実施形態により、2〜40重量%の好ましいHAS誘導体含有率を有するHAS誘導体溶液または凍結HAS誘導体溶液が挙げられ、ここでこれらの溶液のpHは、好ましくは3〜10の範囲であり、使用した緩衝液の濃度は、好ましくは0.1〜1mol/lの範囲である。]
[0204] したがって本発明は、(i)の後に、(i)で得たHAS誘導体を、水または0.1〜100mmol/lの濃度、2〜10の範囲のpHを有する緩衝水溶液を使用する限外濾過を使用して精製し、交換サイクルの回数が10〜50である、上述の方法にも関する。]
[0205] (生物活性剤BAとの反応)
さらなる好ましい実施形態により、本発明は、上述のHES誘導体



が生物活性化合物BAとアセタールまたはケタール基Aを介してさらに好適に反応して、A基がBAとの反応の前に対応するアルデヒドまたはケト基に好ましくは変換される、方法に関する。]
[0206] 最も好ましくは、A基、好ましくは対応するアルデヒドまたはケト基は、BAに含まれるアミノ基と、なおさらに好ましくは1級アミノ基と反応する。このような場合に、および本発明の目的のために、BAは、BA’がBAの残部である、H2N−BA’としても表される。]
[0207] したがって、本発明は、さらに
(ii)式(III)によるHAS誘導体を生物活性剤H2N−BA’のアミノ基と、A基を介して還元的アミノ化によって反応させて、式(IV)



(IV)
によるHAS誘導体を得るステップをさらに含む上述した方法にも関する。]
[0208] 本発明の第1の実施形態により、好ましくは精製された(i)から得たHAS誘導体は、A基の対応するアルデヒドまたはケト基への変換を好適に受け、この変換では得られたHAS誘導体がBAとの反応の前に好適な精製および/または単離ステップを受ける。アルデヒドまたはケト基への変換は好ましくは、酸触媒加水分解反応によって実施される。反応は、好ましくは0〜100℃の、さらに好ましくは10〜80℃の、およびさらに好ましくは20〜60℃の温度にて、好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜5の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは1〜3の、およびなおさらに好ましくは1〜3未満の範囲であるpHで実施される。加水分解反応生成物の精製および緩衝液交換は、当業者に周知の方法によって、例えば透析または限外濾過によって達成することができる。変換された物質は、例えば凍結乾燥によって溶液から固体として回収することができる。]
[0209] 本発明の第2の実施形態により、好ましくは精製された(i)から得たHAS誘導体は、A基の対応するアルデヒドまたはケト基への変換を好適に受け、この変換では得られたHAS誘導体が直接、すなわちアルデヒドまたはケト基を含むHAS誘導体の独立した好適な精製および/または単離ステップなしで、BAと反応する。アルデヒドまたはケト基への変換は好ましくは、酸触媒加水分解反応によって実施される。反応は、好ましくは0〜100℃の、さらに好ましくは10〜80℃の、およびさらに好ましくは20〜60℃の温度にて、好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜5の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは1〜3の、およびなおさらに好ましくは1〜3未満の範囲であるpHで実施される。.加水分解反応生成物は、直接またはBAとの反応に適合する値にpHを調整した後のどちらかに、緩衝溶液中でBAと化合することができる。]
[0210] したがって、本発明は、(ii)の前に、式(III)によるHAS誘導体のA基を対応するアルデヒドまたはケト基に変換する、上述した方法にも関する。]
[0211] 本発明の第3の考えられる実施形態により、好ましくは精製された、(i)から得たHAS誘導体は、BAと直接反応する、すなわち独立した好適な精製および/または単離ステップなしで、ならびにA基の対応するアルデヒドまたはケト基への変換の独立したステップなしで、A基の対応するアルデヒドまたはケト基へのin situ変換を可能にする反応条件下で、BAと反応する。アルデヒドまたはケト基への変換は好ましくは、酸触媒加水分解反応によって実施される。反応は、好ましくは0〜100℃の、さらに好ましくは10〜80℃の、およびさらに好ましくは20〜60℃の温度にて、好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜5の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは1〜3の、およびなおさらに好ましくは1〜3未満の範囲であるpHで実施される。.加水分解反応生成物は、直接またはBAとの反応に適合する値にpHを調整した後のどちらかに、緩衝溶液中でBAと化合することができる。]
[0212] 上述の3つの実施形態による方法のどれを実施するかは、例えば利用する生物活性物質BAの詳細な性質に依存する。例えばEPO、G−CSFまたはIFNαなどのタンパク質がBAとして利用される場合、上述の第1または第2の実施形態が一般に好適である。]
[0213] ステップ(ii)の反応は、好ましくは水性系で実施される。「水性系」という用語は、本発明の明細書で使用するように、溶媒または含まれる溶媒の重量に基づいて少なくとも10重量%から、好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも80重量%、なおさらに好ましくは少なくとも90重量%または最大100重量%までの範囲で水を含む溶媒の混合物を指す。さらなる溶媒として、DMSO、DMF、エタノールまたはメタノールなどの溶媒が挙げられる。]
[0214] 式(IV)、すなわち



(IV)
によるHAS誘導体の非還元形を得るための条件下で、ステップ(ii)[RS3]の反応を実施することが考えられるが、少なくとも1つの好適な還元剤の存在下にて、還元的アミノ化条件下でステップ(ii)による反応を実施することが特に好ましい。特にこれらの条件下で、HAS誘導体のA基およびBAのH2N基から生じるアルデヒド基またはケト基の反応によって得た基−CH=N−は、−CH2−NH−に還元される。]
[0215] 一例として、以下の還元剤:NaBH(OAc)3、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、有機ボラン錯体、4−(ジメチルアミン)ピリジンボラン錯体、N−エチルジイソプロピルアミンボラン錯体、N−エチルモルホリンボラン錯体、N−メチルモルホリンボラン錯体、N−フェニルモルホリンボラン錯体、ルチジンボラン錯体、トリエチルアミンボラン錯体、またはトリメチルアミンボラン錯体が利用され得る。NaBH4およびNaCNBH3が好ましく、NaCNBH3が特に好ましい。]
[0216] 一実施形態において、HAS誘導体は生物活性剤を含有する水溶液に添加される。好ましくは、続いて少なくとも1つの還元剤、特にNaCNBH3が添加される。]
[0217] 他の実施形態において、HAS誘導体は場合により水溶液中に添加され、次にBAが添加される。好ましくは、続いて少なくとも1つの還元剤、特にNaCNBH3が添加される。]
[0218] ステップ(ii)におけるHAS誘導体と生物活性化合物BAのアミノ基とのの反応は、3〜9の、好ましくは3〜8の、さらに好ましくは3〜7の、さらに好ましくは3〜7以下のpH値にて、例えば3または4または5または6にて好ましくは実施される。反応混合物の好適なpH値は、少なくとも1つの好適な緩衝剤を添加することによって調整され得る。好ましい緩衝剤剤のうちで、酢酸塩緩衝剤、好ましくは酢酸ナトリウム緩衝剤、リン酸塩またはホウ酸塩緩衝剤が挙げられる。]
[0219] ステップ(ii)における、ステップb)で得たHAS誘導体の生物活性化合物BAのアミノ基との反応は、−10〜100℃の、好ましくは0〜50℃の、さらに好ましくは0〜37℃の、さらに好ましくは0〜25℃の、例えば0、5、10、15、20、または25℃の温度にて好ましくは実施される。]
[0220] ステップ(ii)の反応時間は、温度、HAS、特にHES誘導体および化合物BAの比ならびにHAS誘導体および化合物BAの絶対濃度に依存する。一般に、5分間〜7日間、好ましくは1時間〜7日間の反応時間が考えられる。]
[0221] ステップ(ii)における得られたHAS誘導体の化合物BAに対するモル比は、HAS誘導体の数平均分子量(Mn)に基づいて、好ましくは0:1〜200:1〜200:1当量、なおさらに好ましくは1:1〜100:1である。好ましくは、モル比は1:1〜50:1である。BAがタンパク質、特にIFNαである場合には、低いモル比、例えば50:1以下、好ましくは1:1〜20:1、さらに好ましくは1:1〜10:1、およびなおさらに好ましくは2:1〜9:1、さらに好ましくは3:1〜8:1およびなおさらに好ましくは4:1〜7:1のモル比が考えられる。]
[0222] 詳細な好ましい実施形態において、ステップ(ii)で使用するHAS誘導体の濃度は、それぞれの場合で(ii)の反応溶液の重量に対して、約10重量%より高く、特に約15重量%よりも高い。]
[0223] したがって本発明は、(ii)において、反応が好ましくは水性系にて、還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で、0〜37℃の、好ましくは0〜25℃の範囲の温度および3〜9の、好ましくは3〜7以下の範囲のpHにて実施され、(ii)において、HAS誘導体の生物活性剤BAに対するモル比が、HAS誘導体の数平均分子量(Mn)に基づいて、0.1:1〜200:1当量、好ましくは1:1〜50:1当量である、上述した方法にも関する。]
[0224] (ii)を行った溶液、好ましくは水溶液のBAの好ましい濃度、例えば好ましいタンパク質濃度は、0.1〜10g/lの、さらに好ましくは1〜9g/lの範囲である。(ii)の前の、(w/v)で示した該溶液中のHAS誘導体の濃度は、好ましくは0.1〜50%の、さらに好ましくは0.5〜45%およびさらに好ましくは1〜40%の範囲である。]
[0225] 考えられる実施形態により、生物活性剤BAは、水性媒体に、好ましくは緩衝水溶液に、特に酢酸ナトリウム緩衝溶液に溶解され得る。水溶液はさらに添加剤、例えば、特にSDS、Chaps、Tween 20、Tween 80、Nonidet P−40、およびTriton X 100からなる群より選択される洗剤および/または分散剤などの添加剤を含有することができる。洗剤および/または分散剤を使用する場合、それは水溶液の総重量に基づいて、0.005〜3重量%の、好ましくは0.05〜3重量%の、好ましくは約0.5重量%の量で好ましくは存在する。]
[0226] 本発明により少なくとも1つの還元剤が利用され、BAとの反応に利用されるHAS誘導体中に存在するXが例えば−CH=N−である場合、−CH=N−O−、または−CH=N−NH−(C=O)−は、(ii)の反応に使用する還元的アミノ化条件下で好ましくは還元されて、−CH2−NH−、−CH2−NH−O−、または−CH2−NH−NH−(C=O)−である官能基Xを生じる。]
[0227] 本発明はしたがって、上述のような方法によって、特に(ii)において、反応が好ましくは水性系にて、還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で、0〜37℃の、好ましくは0〜25℃の範囲の温度および3〜9の、さらに好ましくは3〜7の、好ましくは3〜7以下の範囲のpHにて実施され、(ii)において、HAS誘導体の生物活性剤BAに対するモル比が、ステップ(ii)で利用したHAS誘導体の数平均分子量(Mn)に基づいて、0.1:1〜200:1当量、好ましくは1:1〜10:1当量であり、それぞれの場合でXがアミド基でないという条件である、上述のような方法によって得たまたは得られるHAS誘導体に関する。HAS誘導体の生物活性剤BAに対する特に好ましいモル比は10以下、例えば1:1〜9:1、さらに好ましくは1:1〜8:1、さらに好ましくは1:1〜7:1、さらに好ましくは1:1〜6:1およびなおさらに好ましくは1:1〜5:1、例えば約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、または約5:1である。50:1以下の、さらに好ましくは10:1以下のモル比などのこのように低いモル比はいくつかの生物活性剤で考えられるが、そえらは例えばタンパク質で好ましく、ここでIFNαが特に好ましい。例えばG−CSFおよびEPOに関する限り、50:1以下、例えば1:1〜50:1のモル比が好ましい。一般に、一例として、1:1〜50:1または2:1〜40:1または3:1〜30:1または4:1〜20:1または5:1〜15:1の範囲のモル比が挙げられる。]
[0228] この場合、タンパク質は本発明による生物活性剤BAとして、特に上に示した好ましいpH範囲にて、特に7以下および3以上のpHにて利用されて、HAS誘導体をタンパク質のN末端に位置するアミノ基と主に反応する。「主に」という用語は、本発明の状況で使用するように、利用可能なN末端アミノ基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%が還元的アミノ化を介して反応する実施形態に関する。利用可能なN末端アミノ基の少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも96%または少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%を反応させることも可能である。N末端アミノ基以外のアミノ基への結合は完全に排除できないが、7以下のpHでの本発明による還元的アミノ化を介した結合は、N末端アミノ基にて本質的に選択的に発生する。特に、これらの反応条件は、これらの条件にて安定であるタンパク質で好ましい。タンパク質が例えば酸に不安定である、例えばα1−アンチトリプシン(A1AT)である場合、ここで適切な反応条件、特に7.5以下〜5超のpHを選択することが好ましい。]
[0229] したがって、本発明は、BA’を含むHAS誘導体の調製方法、このような方法によって得られるまたは得たHAS誘導体、および上述した、式(IV)によるHAS誘導体にも関し、ここでタンパク質はN末端アミノ基および少なくとも1個のさらなるアミノ基を含み、該HAS誘導体は主にN末端アミノ基に結合するHASを含む。]
[0230] したがって、本発明は式(IV)



(IV)
による、HAS誘導体にも関する。]
[0231] さらに、本発明は、式(IV)



(IV)
のヒドロキシアルキルデンプン誘導体にも関し、
式中、Xは、式(II)
M−L−A(II)
の架橋性化合物のアミノ基M(式中、Xは、アミド基−C(=O)−NH−ではない)の、式(I)



のヒドロキシアルキルデンプン(HAS)との、HASの炭素原子C*を介した反応から生じる官能基であり、式中、C*は、HASのMとの反応の前に場合により酸化され、最も好ましくは酸化されない。
式中、HAS’は、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR1、R2およびR3は独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基であり、
式中、Aは、式(IIa)



による残基であり、
式中、
Z1およびZ2はそれぞれ独立して、OまたはSまたはNRx、好ましくはOであり、ここでRxは、Hまたは低級アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピル、例えばn−プロピルもしくはi−プロピル、またはC(O)−Ryであり、ここでRyは、好ましくはC1−C6アルキルおよびC6−C14アリールからなる群よりは選択され、なおさらに好ましくは場合により置換された、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され;Rxは好ましくはHである。
A1およびA2はそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであり、または式(IIb)



による環を形成し、
式中、A1およびA2はひとまとめにされて、−(CH2)2−または−(CH2)3−または−(CH2CH(CH3))−であり、ならびに
式中、A3は、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであり、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、A3は好ましくはHである。
および式中、Lは、MおよびAを架橋するスペーサであり、
式中、BA’は、BAのアミノ基の、還元的アミノ基を介したAとの、またはAに対応するアルデヒド基またはケト基との反応後に残存する、生物活性剤BA’−NH2の残部である。]
[0232] HAS、好ましくはHES、および架橋性化合物に関する好ましい実施形態に関しては、上の各開示を参照されたい。]
[0233] 式(IV)のHAS誘導体に関する限り、Xは、−CH2−NH−、−CH=N−、−CH2−NH−O−、および−CH=N−O−、さらに好ましくは−CH2−NH−および−CH2−NH−O−、最も好ましくは−CH2−NH−からなる群より好ましくは選択される。]
[0234] さらに式(IV)のHAS誘導体に関する限り、MおよびAを架橋するLは、式(IId)による少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり



式中、L1およびL2はそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(ここでR”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択され)からなる群より選択される有機残基、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基、さらに好ましくはHまたはアルキル、さらに好ましくはHであり、
式中、nは、1〜20の、好ましくは1〜10の、さらに好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは2の整数である。]
[0235] 「生物活性物質」(BA)という用語は、本発明の状況で使用するように、これに限定されるわけではないが、ウイルス、細菌、真菌、植物、動物、およびヒトを含む生物の任意の物理的または生化学的特性に影響を及ぼすことができる物質に関する。特に、「生物活性物質」という用語は、本発明の状況で使用するように、ヒトもしくは動物における疾患の診断、治癒、軽減、処置、もしくは予防を目的とした、またはそうでなければヒトまたは動物の身体的または精神的健康を増進する物質に関する。活性物質の例は、これに限定されるわけではないが、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、酵素、小型分子薬、染料、脂質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、例えば5’−アミノヘキシルスペーサなどの好適なスペーサを有するオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、核酸、細胞、ウイルス、リポソーム、微粒子、およびミセルを含む。好ましくは、本発明による生物活性物質は未変性アミノ基を含有する。]
[0236] タンパク質の例は、これに限定されるわけではないが、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)またはEPOミメティック、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、α−インターフェロン(IFNα)、β−インターフェロン(IFNβ)またはガンマ−インターフェロン(IFNガンマ)、例えば組換えヒトIFNαまたはIFNβ(rhIFNαまたはrhIFNβ)などのIFNαおよびIFNβ、インターロイキン、例えばIL−1〜IL−34、例えば組換えヒトIL−2またはIL−3(rhIL−2またはrhIL−3)などのIL−2またはIL−3またはIL−11、血清タンパク質、例えば第VIII因子、第VII因子、第IX因子、第II因子、第III因子、第IV因子、第V因子、第VI因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子などの凝固第II〜XIII因子、セリンプロテアーゼ阻害因子、例えばα1−アンチトリプシン(A1AT)、活性化タンパク質C(APC)、プラスミノゲン活性化因子、例えば組織型プラスミノゲン活性化因子(tPA)、例えばヒト組織プラスミノゲン活性化因子(hTPA)、AT III、例えば組換えヒトAT III(rhAT III)、ミオグロブリン、アルブミン、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、増殖因子、例えば上皮増殖因子(EGF)、血小板増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、脳由来増殖因子(BDGF)、神経増殖因子、(NGF)、B細胞増殖因子(BCGF)、脳由来神経栄養増殖因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、トランスフォーミング増殖因子、例えばTGFαまたはTGFβ、BMP(骨形成タンパク質)、成長ホルモン、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)などのヒト成長ホルモン(hGH)、腫瘍壊死因子、例えばTNFαまたはTNFβ、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、ヘモグロビン、ホルモンまたはプロホルモン、例えばインスリン、ゴナドトロピン、メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、トリプトレリン、視床下部ホルモン、例えば抗利尿ホルモン(ADHおよびオキシトシンはもちろんのこと、放出ホルモンおよび放出抑制ホルモン、副甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン、例えばチロキシン、甲状腺刺激ホルモン、チロリベリン、カルシトニン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド(GLP−1、GLP−2など)、エクセンジン、例えばエクセンジン−4、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhレプチン)、ケンプチド(Trp4−ケンプチド)、バソプレシン、ガストリン、セクレチン、インテグリン、糖タンパク質ホルモン(例えばLH、FSHなど)、メラノシド刺激ホルモン、リポタンパク質およびアポリポタンパク質、例えばapo−B、apo−E、apo−La、免疫グロブリン、例えばIgG、IgE、IgM、IgA、IgDおよびその断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、マウス免疫グロブリンG(mIgG)、ヒルジン、組織経路阻害因子、植物タンパク質、例えばレクチンまたはリシン、ハチ毒、ヘビ毒、イムノトキシン、抗原E、αプロテイナーゼ阻害因子、ブタクサアレルゲン、メラニン、オリゴリジンタンパク質、RGDタンパク質またはこれらのタンパク質の1つの場合により対応する受容体;プロラクチンまたはそのミュータント、例えば129位の野生型アミノ酸がアルギニンに置換によってされたG129R(このミュータントの商標名は「LactoVert」である)ならびにこれらのタンパク質または受容体のいずれかの機能性誘導体または断片を含む。]
[0237] ポリペプチドは、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rアスパラギナーゼ)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhレプチン)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、および他のタンパク質骨格からなる群より好ましくは選択される。]
[0238] さらに好ましくは、ポリペプチドは、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rAsparaginase)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhLeptin)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、およびα−1−アンチトリプシンからなる群より選択される。]
[0239] 活性物質は、抗生物質、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗利尿薬、抗コリン作用薬、抗不整脈薬、制吐薬、鎮咳薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗真菌薬、抗交感神経緊張薬、抗血栓薬、アンドロゲン、抗アンドロゲン、エストロゲン、抗エストロゲン、抗骨粗鬆症薬、抗腫瘍剤、血管拡張薬、他の降圧剤、解熱剤、鎮痛薬、抗炎症剤、β遮断薬、免疫抑制薬およびビタミンからなる群より好ましくは選択される。]
[0240] 活性物質のいくつかの追加の非制限的な例は、アレンドロネート、アミカシン、アテノロール、アザチオプリン、シメチジン、クロニジン、コシントロピン、シクロセリン、デスモプレシン、ジヒドロエルゴタミン、ドブタミン、ドーパミン、イプシロン−アミノカプロン酸、エルゴメトリン、エスモロール、ファモチジン、フレカイニド、葉酸、フルシトシン、フロセミド、ガンシクロビル、グルカゴン、ヒドラザリン、イソプロテレノール、ケタミン、ライオスロニン、LHRH、メルパトリシン、メチルドパ、メトプロロール、ネオマイシン、ニモジピン、ナイスタチン、オキシトシン、フェントラミン、フェニレフリン、プロカインアミド、プロカイン、プロプラノロール、リトドリン、ソタロール、テルブタリン、チアミン、チルドロネート、トラゾリン、トリメトプリム、トロメタミン、バソプレシン。アミフォスチン、アミオダロン、アミノカプロン酸、パラアミノ馬尿酸ナトリウム、アミノグルテチミド、アミノレブリン酸、アミノサリチル酸、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アスパラギナーゼ(例えばE.coliからの例えば組換えアスパラギナーゼ(rAsparaginae))、アントラサイクリン、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カベルゴリン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシン、シラスタチンナトリウム、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、カンプトセシン、13−シスレチノイン酸、オールトランスレチノイン酸。ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デフェロキサミン、デキサメサゾン、ジクロフェナク、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フェキソフェナジン、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、エピネフリン、L−ドパ、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イリノテカン、イトラコナゾール、ゴセレリン、レトロゾール、ロイコボリン、レバミソール、リシノプリル、ロボチロキシンナトリウム、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、重酒石酸メタラミノール、メトトレキセート、メトクロプラミド、メキシレチン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ナロキソン、ニコチン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プレドニゾン、プロカルバジン、プロクロルペラジン、オンダンセトロン、ラルチトレキセド、シロリムス、ストレプトゾシン、タクロリムス、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、テストステロン、テトラヒドロカンナビノール、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレチノイン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ドラセトロン、グラニセトロン;フォルモテロール、フルチカゾン、ロイプロリド、ミダゾラム、アルプラゾラム、アンホテリシンB、ポドフィロトキシン、ヌクレオシド抗ウイルス薬、アロイルヒドラゾン、スマトリプタン。マクロリド、例えばエリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フロリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン、およびスウィノリドA。フルオロキノロン、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシンおよびサチフロキサシン。アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン、ネチルミシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマシイン、およびストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート。ポリミキシン、例えばポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム;ペニシリンG、ペニシリンVなどのペニシリナーゼ感受性因子を含むペニシリン;ペニシリナーゼ抵抗性因子、例えばメチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシン、フロキサシン、ナフシリン。グラム陰性微生物活性剤、例えばアンピシリン、アモキシシリン、およびヘタシリン、シリンおよびガラムピシリン。抗緑膿菌性ペニシリン、例えばカルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリンおよびピペラシリン;セファロスポリン、例えばセフポドキシム、セフプロジル、セフトブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロシン、セファピリン、セファレキシン、セファラドリン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロール、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラミド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフィネタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、およびモキサラクタム、モノバクタム、例えばアズトレオナム。ならびにカルバペネム、例えばイミペネム、メロペネム、イセチオン酸ペンタミジン、硫酸アルブテロール、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセタミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、臭化イプラトロピウム、フルニソリド、クロモリンナトリム、および酒石酸エルゴタミン。タキサン、例えばパクリタキセル。SN−38、ならびにチルホスチンである。]
[0241] したがって、「小型分子」として当業者に公知の化学化合物も、本発明による生物活性物質と考えられる。「小型分子」という用語は、本発明の明細書で使用するように、タンパク質およびオリゴヌクレオチド以外の、しかし50アミノ酸までのペプチドを含む、生物活性化学化合物に関する。このような小型分子の代表的な例を以下の段落に挙げる。]
[0242] オリゴヌクレオチドの例[TH6]は、アパタマーおよびsiRNAである。ペプチド核酸(PNA)も考えられる生物活性物質として挙げられる。]
[0243] したがって、本発明は、タンパク質がエリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rAsparaginase)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhLeptin)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、または他のタンパク質骨格である上述した方法および上述したHAS誘導体にも関する。]
[0244] 「他のタンパク質骨格」という用語は、本発明の状況で使用するように、分子が他の非抗体タンパク質フレームワークに基づいている所与の抗体に類似の結合能力を有する分子に関する。本明細書では、A.Skerra,T.Hey et al.,and H.K.Binz(下の参考文献のリストを参照)による論文が挙げられる。]
[0245] 本発明の生物活性物質(BA)に関する限り、これらの化合物は、本発明のステージ(ii)による結合のために1個以上のアミノ基を含み得る。このようなBAがこの結合に好適なアミノ基を含まない場合は、BAに(ii)を受けさせる前に、当業者に公知の方法による好適な官能化によって少なくとも1個のこのようなアミノ酸をBAに導入することが考えられる。]
[0246] 上述の生物活性剤、特に上述の好ましい生物活性剤により、および上述の好ましい架橋性化合物およびそれから得たHAS誘導体により、以下のHAS誘導体が一例として、好ましい実施形態として挙げられ、ここでそれぞれの場合において、HASは、−本発明の好ましい実施形態により−HESである。



または



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または



または



式中、BA’はタンパク質、さらに好ましくは、ここでタンパク質は、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rAsparaginase)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhLeptin)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、および他のタンパク質骨格からなる群より好ましくは選択され、特にここでタンパク質は、EPO、IFNαまたはG−CSFである。なおさらに好ましくは、HAS’はHES’であり、ここで、なおさらに好ましくは、HESは、約1〜約1000kDaの、さらに好ましくは約1〜約800kDaの、さらに好ましくは約1〜約500kDaの、さらに好ましくは約2〜約400kDaの、さらに好ましくは約5〜約300kDaの、さらに好ましくは約10〜約200kDaの、特に約50〜約150kDaの平均分子量、0.1〜3の、好ましくは0.4〜1.3の、例えば0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、または1.3のモル置換、および2〜20の範囲の、さらに好ましくは2〜15の範囲の、およびなおさらに好ましくは3〜12の範囲のC2:C6置換の比を有する。]
[0247] 特に好ましい実施形態により、本発明は、式



によるHAS誘導体に関し、
式中、HASは好ましくはHESであり、ここで、なおさらに好ましくは、HESは、約1〜約1000kDaの、さらに好ましくは約1〜約800kDaの、さらに好ましくは約1〜約500kDaの、さらに好ましくは約2〜約400kDaの、さらに好ましくは約5〜約300kDaの、さらに好ましくは約10〜約200kDaの、特に約50〜約150kDaの平均分子量、0.1〜3の、好ましくは0.4〜1.3の、例えば0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、または1.3のモル置換、および2〜20の範囲の、さらに好ましくは2〜15の範囲の、およびなおさらに好ましくは3〜12の範囲のC2:C6置換の比を有する。]
权利要求:

請求項1
ヒドロキシアルキルデンプン誘導体を調製する方法であって、(i)式(I)(I)で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)を、このHASの還元末端の炭素原子C*を介して、式(II)(II)で示す架橋化合物のアミノ基Mと反応させるステップ(Aは、アセタール基またはケタール基であり、Lは、MとAを架橋するスペーサであり、またC*は、前記HASのMとの反応の前に場合によっては酸化される)と、式(III)(III)に示すHAS誘導体を得るステップ(Xは、前記場合によっては酸化されるHASの還元末端の炭素原子C*を介したアミノ基MとHASとの反応から生じた官能基であり、HAS’が、ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、R1、R2およびR3が独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基である)とを含む方法。
請求項2
R1、R2およびR3が独立して、−(CH2CH2O)n−H基であり、nが整数、好ましくは0、1、2、3、4、5または6である請求項1に記載の方法。
請求項3
前記ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプン(HES)である請求項1または2に記載の方法。
請求項4
Aが式(IIa)(IIa)に示す残基である(Z1およびZ2がそれぞれ独立して、OまたはSまたはNRx、好ましくはOであり、Rxが、Hまたはメチル、エチルもしくはn−プロピルもしくはi−プロピルなどのプロピルなどの低級アルキル、またはC(O)−Ryであり、Ryが、好ましくはC1−C6アルキルおよびC6−C14アリールからなる群よりは選択され、より好ましくは場合により置換され、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され、Rxが好ましくはHであり、A1およびA2がそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、もしくはエトキシベンジルであるか、または式(IIb)(IIb)(A1およびA2がひとまとめにされて、−(CH2)2−または−(CH2)3−または−(CH2CH(CH3))−であり)に示す環を形成し、A3が、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであるか、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、A3が好ましくはHである)請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
請求項5
Z1およびZ2がOであり、A3がHであり、A1およびA2がそれぞれエチルであるか、またはA1およびA2が式(IIb)による環を形成して、A1およびA2がひとまとめにされて−(CH2)2−である請求項4に記載の方法。
請求項6
前記アミノ基Mが式(IIc)(IIc)による基であり、Yが、存在しないか、またはからなる群より選択される化学部分であるかのどちらかであり、Gが、OまたはSまたはNHであり、2個存在する場合には、各Gが独立して、OまたはSまたはNHであり、Oが好ましく、R’が、Hまたはヒドロキシ基またはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、および置換アルキルアリールからなる群より選択される有機残基である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
請求項7
前記アミノ基Mが、H2N−、H2N−O−、H2N−NH−(C=O)−、H3C−NH−またはH3C−NH−O−、好ましくはH2N−、H2N−O−、またはH2N−NH−(C=O)−である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
請求項8
(i)のステップにおいて、HASがその酸化還元末端を介して架橋性化合物のH2N−である前記アミノ基Mと反応して、前記反応が0〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−(C=O)−NH−である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9
(i)のステップにおいて、HASが、好ましくは水性系において、その非酸化還元末端を介して架橋性化合物のH2N−である前記アミノ基Mと反応して、前記反応が4〜7の範囲のpHにて20〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−CH=N−である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項10
(i)のステップにおいて、前記反応が、HAS誘導体を得るために還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で実施され、Xが−CH2−NH−である請求項9に記載の方法。
請求項11
(i)のステップにおいて、HASが、好ましくは水性系において、その非酸化還元末端を介して架橋性化合物H2N−O−またはH2N−NH−(C=O)−である前記アミノ基Mと反応して、前記反応が4.5〜6.5の範囲のpHにて5〜80℃の範囲の温度で実施され、Xが−CH=N−O−または−CH=N−NH−(C=O)−である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項12
MおよびAを架橋するLが、式(IId)(IId)による少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり、L1およびL2が、それぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択され)からなる群より選択される有機残基、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基、さらに好ましくはHまたはアルキル、さらに好ましくはHであり、nが、1〜20の、好ましくは1〜10の、さらに好ましくは1〜6の、さらに好ましくは1〜4の、さらに好ましくは2の整数である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
Lが、−(CL1L2)n1−、好ましくは−(CH2)n−であり、nが1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは、Lが、−CH2−CH2−である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14
Lが、少なくとも1個の構造単位−(CL1L2)n1−O−(CL1L2)n2−、好ましくは−(CH2)n1−O−(CH2)n2を含み、n1は、n2と等しいか又はn2とは異なり、前記スペーサLが、−(CL1L2)n1−を介して架橋性化合物の前記アミノ基Mに結合される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項15
Lが−((CL1L2)2−O)m−(CL1L2)−であり、好ましくは−((CH2)2−O)m−CH2−であり、mが1、2または3であり、さらに好ましくは2または3である請求項14に記載の方法。
請求項16
Lが−(CL1L2)n−(C=O)−NH−(CL1L2)n−であり、好ましくは−(CH2)n−(C=O)−NH−(CH2)n−であり、各nがそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項17
Lが、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)3−、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−、−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)3−、および−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−からなる群より選択され、最も好ましくは、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−および−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−からなる群より選択される請求項16に記載の方法。
請求項18
式(II)による架橋化合物M−L−Aが、H2N−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)2−O−(CH2)2−O−CH2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)7−CH(OCH2CH3)2、H2N−O−(CH2)2−O−(CH2)2−O−CH2−CH(OCH2CH3)2およびH2N−NH−(C=O)−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2からなる群より選択され、好ましくは、H2N−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)2−O−(CH2)2−O−CH2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−O−(CH2)2−O−(CH2)2−O−CH2−CH(OCH2CH3)2、H2N−NH−(C=O)−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2からなる群より選択され、さらに好ましくは、H2N−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)2−O−(CH2)2−O−CH2−CH(OCH2CH3)2、H2N−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2および、H2N−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−CH(OCH2CH3)2からなる群より選択される請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項19
式(II)による前記架橋化合物M−L−Aが1−アミノ−3,3−ジエトキシプロパンである請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項20
(ii)式(III)によるHAS誘導体を生物活性剤H2N−BA’のアミノ基と、A基を介して、還元的アミノ化によって反応させて、式(IV)(IV)の前記HAS誘導体を得るステップをさらに含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
請求項21
(ii)のステップの前に、式(III)による前記HAS誘導体のA基が前記対応するアルデヒドまたはケト基に変換される請求項20に記載の方法。
請求項22
(ii)のステップにおいて、前記反応が好ましくは水性系にて、還元剤、好ましくはNaCNBH3の存在下で、0〜37℃、好ましくは0〜25℃の範囲の温度および3〜9、好ましくは3〜7、さらに好ましくは3〜7以下の範囲のpHにて実施され、および(ii)のステップにおいて、前記HAS誘導体の生物活性剤BAに対する前記モル比が、前記HAS誘導体の数平均分子量(Mn)に基づいて、0.1:1〜200:1当量、好ましくは1:1〜50:1当量である請求項20または21に記載の方法。
請求項23
前記生物活性化合物BAが、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ポリペプチドまたはタンパク質の機能性誘導体、断片またはミメティック、小型分子化合物またはオリゴヌクレオチドである請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
請求項24
前記タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH)、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rAsparaginase)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhLeptin)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、または他のタンパク質骨格である請求項23に記載の方法。
請求項25
式(III)(III)で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体であって、Aが、アセタールまたはケタール基であり、Lが、XおよびAを架橋するスペーサであり、Xが、式(II)M−L−A(II)で示す架橋性化合物のアミノ基Mと、式(I)(I)で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)とによるHASの炭素原子C*を介した反応から生じる官能基であり、C*が、HASとMとの反応の前に場合によっては酸化され、HAS’が、前記ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、R1、R2およびR3が独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基であるHAS誘導体。
請求項26
R1、R2およびR3が独立して、−(CH2CH2O)n−H基であり、nが整数、好ましくは0、1、2、3、4、5または6である請求項25に記載のHAS誘導体。
請求項27
前記ヒドロキシアルキルデンプンがヒドロキシエチルデンプン(HES)である請求項25または26に記載のHAS誘導体。
請求項28
Aが式(IIa)(IIa)で示す残基であり、Z1およびZ2がそれぞれ独立して、OまたはSまたはNRx、好ましくはOであり、Rxが、Hまたはメチル、エチルまたはn−プロピルもしくはi−プロピルなどのプロピルなどの低級アルキル、またはC(O)−Ryであり、Ryが、好ましくはC1−C6アルキルおよびC6−C14アリールからなる群より選択され、さらに好ましくは場合により置換された、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され、Rxが好ましくはHであり、A1およびA2がそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであるか、または式(IIb)(IIb)(A1およびA2がひとまとめにされて、−(CH2)2−または−(CH2)3−または−(CH2CH(CH3))−である)による環を形成し、A3が、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであるか、またはアミノ基MのN原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、A3が好ましくはHである請求項25〜27に記載のHAS誘導体。
請求項29
Xが、CH=N−、−CH2−NH−、−CH=N−O−、−CH2−NH−O−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−NH−NH−からなる群より選択され、好ましくは−CH2−NH−、−CH=N−、−CH=N−O−、−CH2−NH−O−および−CH=N−NH−(C=O)−からなる群より選択される請求項25〜28のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
請求項30
MおよびAを架橋するLが、式(IId)(IId)で示す少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり、L1およびL2がそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択される)からなる群より選択される有機残基であり、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基であり、さらに好ましくはHまたはアルキルであり、さらに好ましくはHであり、nが、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは2の整数である請求項25〜29に記載のHAS誘導体。
請求項31
Lが−(CL1L2)n1−、好ましくは−(CH2)n−であり、nが1〜20、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくはLが−CH2−CH2−である請求項30に記載のHAS誘導体。
請求項32
Lが少なくとも1個の構造単位−(CL1L2)n1−O−(CL1L2)n2−、好ましくは−(CH2)n1−O−(CH2)n2を含み、n1は、n2と等しいかまたは異なり、おおびスペーサLが、−(CL1L2)n1−を介して前記架橋性化合物の前記アミノ基Mに結合される請求項30に記載のHAS誘導体。
請求項33
Lが−((CL1L2)2−O)m−(CL1L2)−、好ましくは−((CH2)2−O)m−CH2−であり、mが1、2または3であり、さらに好ましくは2または3である請求項31に記載のHAS誘導体。
請求項34
Lが−(CL1L2)n−(C=O)−NH−(CL1L2)n−、好ましくは−(CH2)n−(C=O)−NH−(CH2)n−であり、各nがそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲である請求項30に記載のHAS誘導体。
請求項35
Lが、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)3−、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−、−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)3−、および−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−、からなる群より選択され、さらに好ましくは−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−、および−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−からなる群より選択される請求項34に記載のHAS誘導体。
請求項36
構造式を有する請求項25〜30のいずれか一項に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
請求項37
構造式を有する請求項25〜30のいずれか一項に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
請求項38
式(IV)(IV)で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)誘導体であって、Xが、アミド基−C(=O)−NH−ではなく、Xが、式(II)M−L−A(II)で示す架橋性化合物のアミノ基Mと、式(I)で示すヒドロキシアルキルデンプン(HAS)とによる前記HASの炭素原子C*を介した反応から生じる官能基であって、C*が、前記HASとMの反応の前に場合によっては酸化され、最も好ましくは酸化されず、HAS’が、前記ヒドロキシアルキルデンプン分子の残部であり、ならびにR1、R2およびR3は独立して、水素または直鎖もしくは分枝ヒドロキシアルキル基であり、Aが、式(IIa)(IIa)で示す残基でありZ1およびZ2がそれぞれ独立して、OまたはSまたはNRx、好ましくはOであり、Rxが、Hまたはメチル、エチルまたはn−プロピルもしくはi−プロピルなどのプロピルなどの低級アルキルまたはC(O)−Ryであり、Ryが、好ましくはC1−C6アルキルおよびC6−C14アリールからなる群よりは選択され、さらに好ましくは場合により置換された、好ましくは非置換であるメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群より選択され、Rxが好ましくはHであり、A1およびA2がそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、1,1,1−トリクロロエチル、ニトロベンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジルであるか、または式(IIb)(IIb)(A1およびA2がひとまとめにされて、−(CH2)2−または−(CH2)3−または−(CH2CH(CH3))−である)で示す環を形成し、A3が、Hもしくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ベンジルであるか、または前記アミノ基Mの前記N原子もしくはLに含まれる好適な原子と共に環を形成し、A3が好ましくはHであり、Lが、MおよびAを架橋するスペーサであり、BA’が、BAのアミノ基と、AとまたはAに対応するアルデヒド基またはケト基とによる還元的アミノ化を介した反応後に残存する生物活性剤BA’−NH2の残部であるHAS誘導体。
請求項39
Xが、−CH2−NH−、−CH=N−、−CH2−NH−O−、および−CH=N−O−からなる群より選択され、より好ましくは−CH2−NH−および−CH2−NH−O−からなる群より選択され、最も好ましくは−CH2−NH−からなる群より選択される請求項38に記載のHAS誘導体。
請求項40
MおよびAを架橋するLが、式(IId)(IId)で示す少なくとも1個の構造単位を含む、好ましくは式(IId)による構造単位からなるスペーサであり、L1およびL2がそれぞれ独立して、Hまたはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリール、および残基−O−R”(R”は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アルキルアリール、置換アルキルアリールからなる群より選択される)からなる群より選択される有機残基であり、好ましくはHまたはアルキルおよび置換アルキルからなる群より選択される有機残基であり、さらに好ましくはHまたはアルキルであり、さらに好ましくはHであり、nが、1〜20、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらに好ましくは2の整数である請求項38または39に記載のHAS誘導体。
請求項41
Lが−(CL1L2)n1−、好ましくは−(CH2)n−であり、nが1〜20、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは、Lが−CH2−CH2−である請求項40に記載のHAS誘導体。
請求項42
Lが少なくとも1個の構造単位−(CL1L2)n1−O−(CL1L2)n2−、好ましくは−(CH2)n1−O−(CH2)n2を含み、n1が、n2と等しいかまたは異なり、およびスペーサLが、−(CL1L2)n1−を介して架橋性化合物のアミノ基Mに結合される請求項40に記載のHAS誘導体。
請求項43
Lが−((CL1L2)2−O)m−(CL1L2)−、好ましくは−((CH2)2−O)m−CH2−であり、mが1、2または3であり、さらに好ましくは2または3である請求項42に記載のHAS誘導体。
請求項44
Lが−(CL1L2)n−(C=O)−NH−(CL1L2)n−、好ましくは−(CH2)n−(C=O)−NH−(CH2)n−であり、各nがそれぞれ独立して、好ましくは1〜4の範囲、さらに好ましくは1〜3の範囲である請求項40に記載のHAS誘導体。
請求項45
Lが、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)3−、−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−、−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)3−、および−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−からなる群より選択され、最も好ましくは−(CH2)3−(C=O)−NH−(CH2)2−および−(CH2)2−(C=O)−NH−(CH2)2−からなる群より選択される請求項44に記載のHAS誘導体。
請求項46
構造式を有する請求項38〜40のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
請求項47
前記生物活性化合物BAが、ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ポリペプチドまたはタンパク質の機能性誘導体、断片またはミメティック、小型分子化合物またはオリゴヌクレオチドである請求項38〜46のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
請求項48
前記タンパク質が、エリスロポエチン(EPO)、例えば組換えヒトEPO(rhEPO)、コロニー刺激因子(CSF)、例えば組換えヒトG−CSF(rhG−CSF)などのG−CSF、インターフェロン(INF)、例えば組換えヒトIFNα(rhIFNα)または組換えヒトIFNβ(rhIFNβ)などのIFNα、IFNβ、IFNガンマ、第VII因子、例えば組換えヒト第VIIa因子(rhFVIIa)、第IX因子、例えば組換えヒト第IX因子(rhFIX)、成長ホルモン(GH、例えば組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、Fab断片、例えばヒト免疫グロブリンG分子に由来するFab断片(hFab)、免疫グロブリンG、例えばマウス免疫グロブリンG(mIgG)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、アスパラギナーゼ、例えば組換えアスパラギナーゼ(rアスパラギナーゼ)、レプチン、例えば組換えヒトレプチン(rhレプチン)、インターロイキン−2、インターロイキン−11、α−1−アンチトリプシン、抗体、または抗体断片、または他のタンパク質骨格である、請求項47に記載のHAS誘導体。
請求項49
治療または予防剤としての請求項38〜48のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
請求項50
ヒトまたは動物の体を治療する方法で使用するための請求項38〜48のいずれか一項に記載のHAS誘導体。
請求項51
請求項38〜48のいずれか一項に記載のHASを治療的有効量で含む製薬組成物。
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